2017 Fiscal Year Research-status Report
個別乳がん予防介入ツール実用化を目指した健診受診者を対象とする有用性評価研究
Project/Area Number |
16K09090
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
細野 覚代 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (80402600)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 無作為化比較試験 / 遺伝的リスク認知 / 健康教育 / 個別がん予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の研究機関変更に伴い、遺伝子解析を研究代表者自身が実施するのが困難となった。そのため、遺伝的リスクの測定には遺伝子多型を用いた市販の疾病罹患リスク予測サービスを活用することにした。一方、健康教育用コンテンツについては、前年度の研修を元に新たに作成した。 本研究では、45-49歳の婦人科がん(乳がん・子宮頸がん)検診未受診者を対象に無作為化比較試験を実施する。介入群には、市販の疾病罹患リスク予測サービスのがんリスク情報とがん予防に関する健康教育(研究説明会での健康教育、リーフレット配布)を行う。対照群にはがん予防に関する情報提供のみを行う。 リスク予測サービス実施前後のがん検診受診率や生活習慣を調べ、疾病罹患リスク予測サービスによるがんの遺伝的リスク認知ががん検診受診勧奨や行動変容に役立つのかを検討する。その結果、遺伝的なリスク認知が市民の健康増進に寄与するのか明らかにできる。 今回、岡崎市保健所(愛知県)の協力を得て、乳がん検診・子宮頸がん検診の未受診者リストより45-49歳の女性を無作為に抽出し、研究参加依頼を郵送した。これまでに1500通と郵送し、約30名の研究参加者が集まった。岡崎市医師会はるさき健診センターにて研究説明会を実施した。研究参加同意を得た後、くじで介入群と対照群の2群に無作為割付した。研究説明会場で遺伝子検査用の唾液を採取し、生活習慣やがん検診受診状況について質問票調査を行った。対照群も唾液採取を行い、平成31年4月ごろ追跡調査が済んだ後にがんのリスク情報を提供する予定である。 サンプル計算では統計学的パワーを得るためには144例が必要なので、平成30年度も引き続き研究参加者を募集する。また、介入の短期的な効果を調べるために平成31年1月ごろに生活習慣やがん検診受診状況について追跡調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
無作為化比較試験を開始したが、研究参加者募集が遅れており、目標人数まで到達していない。現在の状況は、目標人数144名のうち約30名程度なので、平成30年度も引き続き研究参加者募集を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
研究参加者募集を引き続き実施する。 介入の効果を評価する平成31年1月の追跡調査の質問項目を検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
研究代表者の研究機関変更により、人件費の見込額が少なくなった。人件費の代わりに物品費に相当する市販の疾病罹患リスク予測サービス購入に充当した。市販の疾病罹患リスク予測サービスを140キット分しか購入しなかったので、次年度使用額が発生した。 平成30年度も引き続き研究参加者募集を行うので、そのための通信代に使用する。
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