2016 Fiscal Year Research-status Report
地域一般集団と脳卒中症例の比較による終末糖化産物ペントシジンの医学的意義の検討
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16K09091
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
渡邉 至 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (40343446)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地域一般集団 / 脳卒中症例集団 / ペントシジン / 動脈硬化 / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
体内のタンパク質がグルコースなどと非酵素的に結合することにより産生される終末糖化産物(Advanced Glycation End Products: AGEs)は、糖尿病血管障害をはじめとした多くの疾病と関連することが示唆されている。ただ、大規模な地域一般住民集団や有病者集団で、動脈硬化性疾患における血中ペントシジン値(以下、血中PENT値)などAGEsの臨床的意義を検討した研究はほとんどない。 本研究では、地域一般住民集団における血中PENT値の基本特性を明らかにするとともに、血中PENT値と動脈硬化の危険因子・頸動脈エコー計測値等との関連を検討し、動脈硬化マーカーとしての意義を明らかにすること、および、脳卒中症例集団と地域一般住民集団とで血中PENT値を比較し、脳卒中発症における臨床的意義を明らかにすることを目的としている。 当センター予防健診部では、1989年に吹田市住民基本台帳から無作為抽出した30~79歳の男女12200人を対象として循環器疾患発症に関するコホート研究(吹田研究)を実施しており、経年的(約2年に1回)に追跡のための健診や研究のための検査などを行っている。そこで、本研究では吹田研究参加者で、2013年度に追跡のための健診を受診し、血液検体が凍結保存されている者約1000人を対象とする。平成28年度においては、研究に使用するこれらの対象者の血液検体の整理と準備等を行った上で、血中PENT値の測定を外部検査機関に委託し、終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画上、平成28年度の実施予定であった使用対象検体の準備、血中ペントシジン値の測定は終了し、おおむね順調に進捗している。平成29年度の研究計画である地域一般住民集団における解析等の検討を開始可能な状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に測定した血中ペントシジン値のデータを用いて、平成29年度の研究計画である地域一般住民集団(吹田研究)における解析データセットの作成と解析を実施する予定である。主な解析内容としては下記を予定している。 ①血中PENT値の基本特性に関する解析 ②血中PENT値と動脈硬化の危険因子・頸動脈エコー計測値等との関連についての解析 ③血中PENT値に関する探索的な解析
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Causes of Carryover |
研究計画において、平成28年度に血中ペントシジンの測定を実施予定としていたが、測定費の予算を研究計画申請時にあやまって平成29年度に計上してしまったため、平成28年度に前倒し請求を行い、認められた。ただ、平成28年度は血中ペントシジンの測定を優先したので、予算の残額が平成28年度購入予定の解析用パソコンやソフトウエアの費用として十分ではなく、実際にデータセット作成や解析を行う平成29年度に購入することとしたので、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額と平成29年度の予算の一部とを合わせて、解析用パソコンや必要ソフトウエアを購入する予定である。
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