2016 Fiscal Year Research-status Report
職域レセプト分析:受診行動による生活習慣病の早期発見および重症化予防への効果
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16K09096
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
志摩 梓 滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (20635958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰巳 友佳子 帝京大学, 医学部, 助教 (00757685)
石崎 達郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (30246045)
呉代 華容 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30708681)
宮松 直美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90314145)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 循環器疾患 / 外来受診状況 / がん検診 / レセプトデータ / 精検受診率 / 疾病コントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では、健診・検診受診率が高い壮年期職域コホートにおいて、①高血圧など循環器疾患のリスク因子に対する外来受診の診療状況により、8 年後のコントロール状況や合併症有無が異なるか、②がんの検診および精検受診状況と、5 年間のがん発見との関連、を分析し、健診とレセプトデータの突合によって外来診療やがん検診の評価が可能かどうかを検証することを目的としている。 初年度である平成28年度は、上記①に資するために、既存データベースに2016 年定期健康診断データを突合する作業を進めた。また②については、2012年 ~2015年の胃がんリスク検診・大腸がん検診データを作成するとともに、レセプトデータから便潜血陽性者の精検受診状況(大腸バリウム造影または大腸内視鏡検査受診有無)やがん罹患の有無を評価する方法を整えた。 その上で、まずは大腸がん検診について、各年度における便潜血陽性者の精検受診状況を記述するとともに、対象フィールドにおける保健事業実施方法の推移と精検受診率の関連について解析を行なった。その結果、本研究集団においては、大腸がん検診精検受診率は、便潜血陽性者に検査結果のみを通知していた2013年までは約3割であったが、消化器内科宛ての紹介状を発行を開始した2014年は62%となっており、陽性者に対して検査結果と同時に消化器内科宛ての紹介状を発行することが精検受診率の向上に役立つことが示唆された。 また、循環器疾患コントロールに関連する課題として、女性高血圧者について、乳がん検診受診歴(保健行動)が2年後の血圧コントロールに関連するかを検討した。乳がん検診の定期的受診者では受診歴のない者に比べて血圧コントロール良好者が約1.7倍であることを学会報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年に予定したデータベース拡充は順調に進み、基礎データの解析結果について関連学会に報告を行なったこと等から、概ね順調に進んでいるとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、データベースの拡充を進めるとともに、がん検診関連データを既存の健康診断データベースに突合する。 また、レセプトデータから解析に必要な変数を速やかに抽出し、統計ソフトに出力できるよう準備を進める。
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Causes of Carryover |
平成28年度に予定していたデータベース整理が順調に進み、人件費等の支出を抑えることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後はデータベース拡充を引続き進めるとともに、既に整えられたデータセットの解析を行う予定である。その過程で解析の方向性や成果公表に向けて議論を進めるため、会議開催に必要な旅費等に振り向ける。
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Research Products
(3 results)