2018 Fiscal Year Research-status Report
職域レセプト分析:受診行動による生活習慣病の早期発見および重症化予防への効果
Project/Area Number |
16K09096
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
志摩 梓 滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (20635958)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰巳 友佳子 帝京大学, 医学部, 助教 (00757685)
石崎 達郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (30246045)
呉代 華容 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30708681)
宮松 直美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90314145)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 健康診断 / がん検診 / 糖尿病 / レセプトデータ / 循環器疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題は、壮年期職域コホートにおいて健診データとレセプトデータの突合を継続しながら、①循環器疾患のリスク因子と外来受診状況、疾病コントロール等の関連を評価すること、②がん検診および精検受診率と、がん発症との関連等を検討すること、を目的としている。 3年目である2018年度も健診・検診データ、レセプトの医療費・診療日数データを追加した。また、全年度に続き生活習慣と循環器疾患発症、外来受診状況の関連した解析を進めた。 このうち、2004年から13年間の縦断データを用いた解析では、禁煙者を禁煙を3年以上継続している群と、禁煙後3年未満の群に2分して、耐糖能障害発症リスクを検討した。その結果、男性において、禁煙後3年未満の者では非喫煙者に対する耐糖能障害発症のオッズ比が1.84倍(95%信頼区間:1.12-3.03)と有意に高い一方で、禁煙後3年以上経過群のオッズ比は1.07(0.75-1.51)であった。一方、女性では喫煙状況と耐糖能障害発症に有意な関連を認めなかった。以上から、本研究集団の男性では、禁煙期間が短い者では喫煙者同様に耐糖能障害発症リスクが高い可能性が示唆された。現行の特定保健指導対象者選定では、禁煙を開始していれば積極的支援の対象から除外されるが、禁煙期間が短い間は一定の支援を考慮する必要があると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レセプトデータからがん罹患を評価する作業が遅れており、がん検診受診状況とがん発症の関連の検討に未着手である。
|
Strategy for Future Research Activity |
レセプトデータをもとに、がん検診精密検査受診状況、がん発症を評価し得るデータベースを整える。まずはがん検診精密検査の受診状況、がん発症の状況について基礎解析を行う。その後、がん検診や精密検査を受診していない者の中からのがん発症、精密検査受診状況とその他の生活習慣病のコントロール等についての探索的解析を進める。 本コホートは毎年の健診受診率が9割を超えており、問診項目も充実しちえることが特筆に価する。今後もデータ特性を活かした解析を継続する予定である。
|
Causes of Carryover |
レセプトデータの作製が遅れており、解析に用いるパソコンの発注を次年度に延期した。また、解析結果の成果公表を次年度に延期しした。
|
Research Products
(1 results)