2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K09118
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
廣井 聡 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (40455548)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アデノウイルス / サーベイランス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、作成したリアルタイムPCR法を臨床検体へ応用し、2症例の尿道炎の尿検体からアデノウイルスを検出した。ウイルスの型別を行った結果、アデノウイルス56型で、発症2週間後の尿検体からもウイルスが検出可能であった。また、ヘキソンloop1領域を用いて作製した型別用のPCR法を用いて、2012年から2016年の間に結膜ぬぐい検体から分離されたアデノウイルス株の分子疫学解析を行った。咽頭結膜熱からは3型、4型、54型が、結膜炎からは37型、53型、54型、56型が検出でき、塩基配列はいずれの型も同型間で相同性が非常に高かった。 ウイルス分離方法については41型および54型のアデノウイルス株で検討した。用いた細胞株はMA104、U251、HEp2、HCT116、HEK293で、通常ウイルス分離に用いているA549細胞と細胞変性効果(CPE)を比較した。54型についてはA549 細胞より効率よくCPEが観察できる細胞は認められなかったが、41型についてはHEK293細胞の方がA549 細胞より細胞変性効果がより強く認められた。そこで、HEK293細胞およびA549細胞に10 TCID 50の41型のウイルスを感染させ、24、48、72時間でのウイルスコピー数をリアルタイムPCR法で測定し、その増殖性を検討した。その結果、48時間まではどちらの細胞でも同等の増殖性を示したが、A549細胞は48時間でピークとなった。72時間ではHEK293細胞でのみさらにウイルスコピーが増加していた。HEK293細胞は、臨床検体からの41型の分離にも有用だと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で作製したアデノウイルス検出法およびその応用について論文化する予定であったが、その作成が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに得られた結果をまとめ、査読付き論文として発表を行う。
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Causes of Carryover |
論文執筆が遅れ、投稿に至らなかったために次年度使用額が生じた。論文発表のための費用して使用する予定である。
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