2016 Fiscal Year Research-status Report
粒径別大気粉塵の発がん機構解明と多環芳香族炭化水素類の越境汚染を含めた寄与
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16K09119
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
柿本 健作 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 研究員 (40435889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥羽 陽 金沢大学, 薬学系, 准教授 (50313680)
永吉 晴奈 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (70516757)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 環境汚染物質 / 大気粉塵 / PM / 多環芳香族炭化水素 / 塩素化多環芳香族炭化水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
大阪市内および金沢市内において夏季、冬季に大気粉塵の捕集を行った。捕集はPM0.1 大気サンプラー を使用し6段階の粒径ステージに分粒した。フィルター1 枚あたりの絶対捕集粉塵量がハイボリウムエアーサンプラ―の約150 分の1程度になる。そのため測定には前処理過程における濃縮作業が重要となるが、大阪市内で捕集した試料を処理した結果、捕集したフィルターを全量使用し精製に高極性妨害物質の除去を目的にシリカゲルクロマトグラフィーを使用することで対象とする塩素化多環芳香族炭化水素(ClPAHs)およびPAHsを試料由来の妨害成分の影響なく分析することができた。測定にはガスクロマトグラフ-質量分析装置を使用し、分析条件を最適化し分析を行った。今後、酵母レポータージーンアッセイによるAhR 活性化能評価も行うが、フィルター試料をPAHs類分析用とアッセイ用で半分に分割使用しても問題ないと判断された。大阪市内で捕集した試料中の粉塵量、ClPAHsおよびPAHsについてその粒径別存在割合を明らかにした結果、粉塵濃度はPM>10、PM10-2.5、PM2.5-1.0、PM1.0-0.5、PM0.5-0.1及びPM0.1>の6つの画分において、PM10-2.5~PM0.5-0.1の4つの画分で他の2つ(PM>10、PM0.1>)に比べて高かった。また、対象とするClPAHsの中で1-クロロピレン(ClPyr)及び6-クロロベンゾ[a]ピレン(ClBaP)が比較的濃度が高く、共にPM2.5-1.0、PM1.0-0.5の画分において特に高い濃度を示すことが明らかとなった。この粒径濃度分布傾向は対応するPAHでも同様であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粒径別大気粉塵の捕集を滞りなく遂行することができた。また、捕集した大気粉塵試料中塩素化多環芳香族炭化水素(ClPAHs)およびPAHsを測定するための処理条件、分析条件の確立を計画通り行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、作年度大阪市、金沢市で捕集した大気粉塵試料中のClPAHsおよびPAHsの濃度を明らかにしていく。また、今年度金沢市で捕集する予定の大気粉塵も随時分析を行い、季節変動や捕集地点における特徴を明らかにしていく予定である。また同試料の一部を使用し、酵母レポータージーンアッセイによる大気粉塵の粒径別AhR 活性化能評価も行う。
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Causes of Carryover |
28年度捕集した大気粉塵の抽出・分析作業にかかる金額の一部が未執行である。また、
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度に28年度捕集した大気粉塵の抽出・分析作業を引き続き行うために使用する。
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Research Products
(1 results)