2016 Fiscal Year Research-status Report
買い物環境が高齢者の活動と健康に与える影響についての縦断研究
Project/Area Number |
16K09122
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
平井 寛 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (20387749)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 健康状態 / 活動状況 / 買い物環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は縦断データを用いて,経年的な買い物環境と高齢者の活動・健康の関連を検討しようとするものである.研究のプロセスは大きく①郵送調査の実施,②縦断データの作成,③縦断データの分析,④将来推計,の4つに分けられる.28年度に予定していたプロセスは①郵送調査の実施であった. 買い物環境が悪化した場合に高齢者に起こりうる変化(アウトカム)として,1)活動性の低下(外出頻度・食物摂取頻度の減少),2)活動性の低下の結果としての健康の喪失(要介護化・死亡),3)当該地域からの転出の3つを想定し,2010年から2016年までの転帰を,2010,2013年に実施済みの調査に加え2016年度に実施する郵送調査,介護保険関係データにより追跡ことを目的とし,2016年10月,対象地域である愛知県知多郡南知多町において,町に居住する要介護認定を受けていない高齢者全数に調査票を郵送し回収した.地域在住高齢者の健康状態,活動状況の把握を行った. また,買い物環境の把握のため,タウンページデータベース(NTTタウンページ)の2001年~2016年データを加工し,15年間の小売店の出店・撤退の状況の縦断変化データを作成した.食料品小売店の総数は2001年から2016年までの間に約3割減少していた.店舗種別にみると,コンビニエンスストアは1.5倍程度に増加していた.スーパーストアの店舗数はほぼ横ばいであったが,米店,鮮魚店,青果物店,個人商店等半数程度に減少していた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り郵送調査を実施することができた.遅れて返送された調査票がありデータはまだ完成されていないが,現状のデータで高齢者の健康・活動を状況を概観できた.買い物環境のデータの加工も進み,地域の外出環境の概要も把握できた.
|
Strategy for Future Research Activity |
今回(2016年度)の調査データを第1回調査(2010年度)と第2回調査(2013年度)に結合し,縦断データを作成する.高齢者の3時点における,活動性の低下,健康の喪失(要介護・死亡),当該地域からの転出の3つの変化を想定しているが,高齢者によって,活動性の低下にとどまる者,健康を維持し続ける者などさまざまであると考えられる.これらの転帰を類型化し,地域の高齢者が,どのような転帰の類型別の割合をとるのかを買い物環境の要因別にみる記述的な分析を行う.
|