2018 Fiscal Year Annual Research Report
Associations of environmental exposures to methylmercury and selenium with female infertility: A case-control study.
Project/Area Number |
16K09124
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
村田 勝敬 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (80157776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 恵理 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (30778395)
坂本 峰至 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 主任研究員 (60344420)
寺田 幸弘 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10260431)
岩田 豊人 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (00321894)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メチル水銀 / 妊孕性 / セレン |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】メチル水銀の生殖への影響については、先行研究が極めて少ない上、欧米の対象者の水銀値は日本人より著しく低く、他の金属類との相互作用も考慮されていなかった。今回、魚介摂取の多いわが国で初めて、メチル水銀をはじめとする金属類曝露と妊孕性の関連を調べる疫学調査を実施した。 【方法】秋田県内の産婦人科にて不妊と診断された女性患者98名と県内の健康保険組合加入の30代女性労働者43名から提供された血液検体および生活習慣や食生活に関する質問紙調査の回答を用いて患者対照研究を行った。2群間で血中総水銀、鉛、カドミウム、砒素、マンガン、亜鉛、セレンを比較した。また、抗ミューラー管ホルモン(AMH)値と各血中金属類濃度との相関分析を行った。 【結果】患者・対照群間の血中総水銀濃度に有意差はなかったが、血中セレン濃度(189±25 μg/L対200±25 μg/L)および血中セレン/水銀モル比(94.6±44.3対118.4±70.5)は患者群で有意に低かった。年齢ほかを調整した総水銀濃度は患者群で有意に高く、調整セレン濃度は患者群で有意に低かった。多重ロジスティック回帰分析による調整後も、血中総水銀濃度が高いことと血中セレン濃度が低いことは不妊と有意な関連があった。AMH値と血中金属類濃度に有意な相関は認めなかった。 【考察・結論】妊孕性に対してメチル水銀が悪影響を及ぼす一方、セレンには保護作用がある可能性があることを世界で初めて示唆した研究である。妊娠を希望する女性は、メチル水銀は少なく、セレンや多価不飽和脂肪酸の含有量の多い魚介類の摂取を心がける必要性が示唆される。
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Research Products
(2 results)