2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K09126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小西 祥子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (70451771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 慶子 岡山理科大学, 理学部, 教授 (90135616)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 妊孕力 / 受胎確率 / 出生力 / 妊娠待ち時間 / コホート調査 / 不妊治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度に開始した受胎確率に関する前向きコホート調査の対象者を対象として、追跡開始から2年後の追加調査を実施した。追跡開始時の対象者の適格条件は、出産経験および不妊治療を受けたことがなく、妊娠を希望して避妊をしていない20-34歳の女性であった。平成28年度および平成29年度の追加調査のデータを合わせると、計76名(対象者80名のうち95%)から追跡期間中の妊娠や不妊治療の実施に関する情報を得た。 追跡開始から妊娠に至るまでの期間、あるいは妊娠に至っていない場合(右側打ち切り)には最後の追跡調査までの期間を用いて生存時間分析を実施した。今回の分析に際しては生産に至った妊娠および追跡調査時に継続中の妊娠のみについて追跡開始から妊娠開始までの期間を計算し、統計解析に用いた。追跡期間中に流産に終わった妊娠については今回の分析では考慮しなかった。 分析の結果、追跡開始から2年経過後までに出産に至らず、かつ妊娠継続中でない対象者は、全体の2割ほどと推定された。次に不妊治療の有無、年齢、パートナーの年齢、BMI、調査開始時までの避妊なし期間、妊娠歴、抗ミュラー管ホルモン濃度、喫煙、パートナーの喫煙、学歴、パートナーの学歴、労働時間、パートナーの学歴、収入、パートナーの収入、世帯収入と妊娠確率の関連について予備的な解析を実施した。2年後時点の累積妊娠確率は、追跡開始1年以内の不妊治療(受診あるいは検査のみの場合も含む)の有無によってはほとんど変わらなかった。すなわち、今回の対象集団においては、不妊治療を受けたカップルでも受けなかったカップルでも、調査開始から2年以内に出産に至らない確率が2割程度あることが示唆された。 またサブサンプル(18名)の女性が毎日採取した尿中のエストロゲン代謝物およびプロゲステロン代謝物を測定し、両者の比の日間変動から排卵日を推定し、排卵日検査薬の結果と比較を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は新たなコホート調査を開始する予定だったが、平成27年度から実施しているコホート調査について9割以上の対象者から2年間の追跡データを得ることができたこと、またすでに採取している生体試料を用いた追加の研究が可能であることから新たなコホート調査は実施しないこととした。よって今年度はおおむね順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
追跡期間のはじめの6か月間に収集した、排卵、性交、妊娠にかんする日ごとのデータを用いて日ごとの妊娠確率(daily fecundability)を推定する。 また追跡調査開始時に採取した対象者の尿および血清について、化学物質曝露を測定し、妊娠確率との関連の有無を探索的に解析する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)新たなコホート調査を立ち上げるのではなく、既存のコホートを用いて追加の調査研究を実施することにしたため次年度使用額が生じた。
(使用計画)次年度使用額は、生体試料中のバイオマーカー分析および研究成果の発表のために使用する予定である。
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Research Products
(2 results)