2017 Fiscal Year Research-status Report
カネミ油症患者から出生した新生児における発達発育予後評価の取り組み
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16K09134
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小屋松 淳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (90714212)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | カネミ油症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はカネミ油症によるダイオキシンの世代間の影響を母子手帳および乳幼児健診における母子保健の側面から評価する取り組みです。出生時や乳幼児健診の身長や体重などの発育のデータと社会性発達のデータを油症患者さんの子供と孫に該当する世代を中心としてデータベース化して研究することを目指しています。 一方でカネミ油症に対する偏見や科学的な根拠に基づかない誤解などの社会的な側面があることも否定できません。そのため、本研究にあたっては倫理委員会での審査はもとより、行政、患者さん、その他の有識者への慎重な話し合いを進めて参りました。 平成29年度はそれらの手続きが終わり、倫理委員会等での承認も得られたことから、実際に対象となる方に対する研究の概要説明や同意の取得も開始することができました。 現状では目標とする参加者数にはまだ達していませんが、参加者の募集準備において、患者さんをはじめ、多くの方との事前協議の時間を十分にとったことで、初期のトラブルなどもなく、説明や同意が得られた患者さんからの理解も良好です。また、研究対象者のなかで本研究の趣旨を理解して下さった方が、新たな被験者の方をご紹介下さるなど、油症患者さんの中には、世代間の影響についての科学的な評価を求める声があることも知ることができました。これらの声に答えるためにも、このまま参加者の募集を継続し、コントロール群も含めた対象者の拡大を図っていくことができると考えられます。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カネミ油症の特性上、プライバシーの保護や研究に参加する場合のインフォームドコンセントに大変慎重な対応が求められたため、それらの整備に時間を要しましたが、それらの問題は解決され、募集等も実施できており、今後に予定された参加者の確保に向けて進めていくことができると考えられます。
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Strategy for Future Research Activity |
このままコントロール群への参加希望も含めて研究を継続し、目標とする参加者数を確保するつもりです。また、引き続き倫理面等の配慮も十分に払って参ります。
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Causes of Carryover |
倫理委員会や関係者との話し合いがメインの出費となり、次年度使用額が発生しました。記録用媒体等については、現時点では紙媒体等におけるキャビネット保存としておりますが、平成30年度には予定していた電子媒体への保存とその専属者の雇用の費用に充てる予定です。
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