2018 Fiscal Year Research-status Report
カネミ油症患者から出生した新生児における発達発育予後評価の取り組み
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16K09134
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小屋松 淳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (90714212)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カネミ油症 / 母子健康手帳 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はカネミ油症によるダイオキシンの世代間の影響を母子健康手帳(母子手帳)および乳幼児健康診査(乳幼児健診)などの母子保健の側面から評価する取り組みです。出生時や乳幼児健診における身長や体重と社会性の発達などの記録を油症患者さんの子供と孫の世代を中心にデータベース化してその実態を把握するとともに、そのデータを用いて発達発育の予後予測につなげることを目指しています。これまでに目標としていた50症例のうち、32例から母子手帳のデータおよびそれに関連する質問や検査等の機会を得ることができました。また、平成31年の10月から12月にかけて朝日新聞社、毎日新聞社、長崎新聞社から本取り組みについての取材を受け、その記事をきっかけとして本研究への協力および参加の問い合わせもいただきました。現時点での解析結果からはまだ対象数が少ないと言わざるを得ず、統計学的な有意差等の検討をするにはまだ不十分な点もありますが、引き続きデータの蓄積が進行しています。また、本研究の進捗状況等については6月に福岡市において開催されるカネミ油症研究の全国班会議において報告させて頂く予定であり、本研究が目指していた次世代への影響への一つの研究モデルとしての提案という目標についても進んでいます。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カネミ油症の特性上、プライバシーの保護や研究に参加する場合のインフォームドコンセントに慎重な対応が求められました。そのため、倫理委員会をはじめとする事前準備および環境整備に予想外の時間を要しました。具体的には当初の予定からすると8か月前後の遅れが生じておりますが、研究開始後の進捗状況としては問題なく、研究参加者の募集やそのデータ収集のペースは想定した進捗が得られており、目標とする研究協力者数に近づいています。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の進捗状況等については6月に福岡市において開催されるカネミ油症研究の全国班会議において報告させて頂く予定です。疫学研究として、対象となる研究協力者数(n)の増加が重要であるため、次世代への調査における一つのモデルとして研究班での検討や水平展開も視野にいれた提案を目指したいと考えています。
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Causes of Carryover |
研究進捗の遅れが生じたため、それに伴う人件費や必要な機材等の繰り越しが生じました。そのため、その期間に使用する予定であった費用が繰り越しとなり、次年度使用額が発生しました。
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