2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of developmental prognosis in neonates born to Kanemi Yusho patients
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16K09134
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小屋松 淳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (90714212)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カネミ油症 / 母子健康手帳 / 乳幼児健康診査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はカネミ油症による世代間の影響を乳幼児健康診査(乳幼児健診)および母子健康手帳(母子手帳)などの母子保健的な視点から評価することを目指した取り組みです。出生時や乳幼児健診における身長や体重などの発育情報と社会性や言語などの発達情報をカネミ油症患者さんの子供と孫の世代を対象にデータベース化し、その実態を把握するとともに、既存の発達発育における評価項目と比較検討することで、カネミ油症患者から出生した子や孫の世代における発達発育の予後予測と支援に繋げることが目標です。 開始時に50症例の研究協力を目標としていましたが、最終的には46例とわずかに届かなかったものの、ほぼ目標の症例数を得ることができました。研究成果は2019年6月にカネミ油症研究の最新の知見が集まる「令和元年度全国油症治療研究班会議(福岡市)」での報告を行い、社会への発信や専門研究者間での十分な協議や検討も行われました。今回の解析ではカネミ油症患者の子や孫の世代において統計学的な一般集団との発達発育の差は認めなかったが、症例数が限られており、本研究をもって結論を出すことはできませんでした。カネミ油症の次世代影響を研究しフォローアップしていくモデルケースの構築と提案という意味では当初の目標を達成できましたが、研究協力者数(n)を得るための取り組みも必要であることが示唆されました。 しかしながら、この研究の一部として実施した母子手帳を用いたデータベースの構築については、今後の何世代にもわたる調査が可能など多くの利点があることが判明し、継続的に実施可能な次世代影響の研究となり得ることが示されました。母子手帳に焦点を当てることで、多数の研究協力者を得ることが可能となり、統計学的にも十分な検討ができることが期待できると考えられ、フォローアップモデルの提案に続く、次の研究につながると考えられました。
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Research Products
(1 results)