2017 Fiscal Year Research-status Report
自殺予防の援助要請促進に関するヘルスコミュニケーションプログラムの実証的研究
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16K09147
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
須賀 万智 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30339858)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 援助要請 / アンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
自殺予防には、精神的不調を自覚したときの援助要請を促進する取り組みが必要である。ヘルスコミュニケーションは公衆衛生施策に不可欠であり、地域ベースのヘルスコミュニケーション事業の展開が自殺予防の援助要請促進にも有効である可能性がある。本研究では、自殺予防の援助要請促進に関して、効果的なヘルスコミュニケーションのあり方を実証的に解明することをめざす。 初年度は、メッセージのユーザーテストとヘルスコミュニケーションのアウトカムアセスメントを実施するための評価尺度を開発した。本年度は、うつ病発症者に早期受診を促すメッセージを考案し、ユーザーテストを実施し、実用可能なメッセージを開発した。メッセージは内容3種類×デザイン2種類、あわせて6種類を用意し、内容は先行研究から明らかになった受診しない理由に対応するように、うつ病は1)治療を要する、2)早期治療で良くなる、3)誰でも罹りうることを伝え、早期受診を促すものとした。全国35~45歳男女約2000名(医療関係者を除く)にインターネット上でアンケート調査を行い、初年度に開発した評価尺度を用いて、それぞれのメッセージを評価してもらった結果から、メッセージがもたらす効果はメッセージの内容だけでなく、受け手の状況(特にメッセージとの関係性)によって異なること、イラストやカラーなどのデザインがメッセージを利用する意思や感情的反応を高め、メッセージがもたらす効果に影響する可能性があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗は順調で、結果は期待どおりに得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、本年度に開発したメッセージを用いて、うつ病の早期受診の重要性を伝えるプログラムを考案し、職域集団を対象として実効性を検証する。
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Causes of Carryover |
論文の掲載の時期が遅れており、掲載のための費用が翌年度に持越された。 最終年度はプログラムの実効性の検証を行い、論文の掲載を進め、3年間の研究成果を総括する。
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