2016 Fiscal Year Research-status Report
結核対策と喫煙対策の連携はいかに有効か?-フィリピン都市部貧困層における検討
Project/Area Number |
16K09156
|
Research Institution | 公益財団法人結核予防会 結核研究所 |
Principal Investigator |
大角 晃弘 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 臨床・疫学部, 研究員(移行) (30501126)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河津 里沙 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 臨床・疫学部, 研究員(移行) (10747570)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 研究計画書 / 研究倫理委員会 / 研修 / 保健所 / 記録 / フォーカスグループディスカッション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、フィリピンの貧困層が多く居住する地域において、結核対策と喫煙対策とを統合することにより、結核患者における喫煙率と家庭における二次喫煙率とを減少させることの有用性について検討するのが目的である。 初年度は、1)フィリピンマニラ市現地関係者と共に研究計画書を作成し、2)現地研究倫理委員会の承認を取得し、3)研修教材を作成した上で、マニラ市第1地区(喫煙対策介入地域)と第6地区(コントロール地域)における保健所関係者を対象とする研修を実施し、4)結核患者の喫煙状況と家庭における二次喫煙の状況に関する情報を保健所において記録するための「喫煙状況結核患者カード」と「喫煙状況結核患者登録台帳」を作成し、印刷・配布した。さらに、5)現地関係者と共に、喫煙結核患者の断煙する過程を明らかにするためのフォーカスグループディスカッションを実施するための準備を開始した。以上の通り、初年度は、現地関係者の協力を得つつ、概ね研究実施計画に沿って研究が実施された。 2017年3月に東京で開催された第6回アジア太平洋地域UNION会議の公開講義1において、フィリピン結核対策課長により、本研究計画書内容について発表した。これにより、フィリピン結核対策課長が本研究内容とその意義についての理解を深めることが出来たと共に、海外の結核及び喫煙対策専門家に対して、本研究内容について周知する機会ともなった。 次年度は、2017年4月から開始された1)保健所における記録状況のモニタリングと2)フォーカスグループディスカッション実施のための更なる準備を進め、収集情報の質の確保を図りつつ、必要な情報収集をする予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結核予防会フィリピン事務所職員が、マニラ市現地関係者との連絡・連携を綿密に実施しているため、現地関係者との共通理解が得られやすい。 現地研究協力者と研究計画書を作成する過程で、フィリピン国内外の喫煙対策専門研究協力者により、必要な助言と技術支援を得ることが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
2017年4月から開始された1)保健所における記録状況のモニタリングと2)フォーカスグループディスカッション実施のための更なる準備を進め、収集情報の質の確保を図りつつ、必要な情報収集をする予定である。 上記モニタリングは、結核予防会フィリピン事務所職員が実施する。主任研究者は、同職員との連絡を密に実施し、必要な修正が行われるように支援する。 フォーカスグループディスカッションについても、現地研究協力者と共に結核予防会フィリピン事務所職員が実施するが、分担研究者が必要な技術支援を行う。
|
Causes of Carryover |
研究実施前の保健所関係者を対象とする研修実施費用及び旅費が、予定より少なく済んだため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度における現地保健所を対象とする研究実施状況モニタリング及び情報収集費用と、現地におけるフォーカスグループディスカッション開催費用に充填する予定。
|
Research Products
(1 results)