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2016 Fiscal Year Research-status Report

多数重症患者発生時の緊急医療情報管理システムの構築に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16K09167
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

種市 尋宙  富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (60565050)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords腸管出血性大腸菌 / 危機対応 / メーリングリスト / 災害 / 情報共有
Outline of Annual Research Achievements

2011年当時に行政機関とともに開設を決定した緊急メーリングリスト(ML)の利用状況を評価した。保存されてあるすべての投稿内容を分析し、MLにおける共有情報の内容、投稿者背景などを評価した。
本事例のMLは5月2日に開始され、最終投稿は5月23日、期間は22日間であった。その間における総投稿数は91であった。開始当初はMLの登録者は66名であったが、地域外における患者の発生もあり、最終的に97名となった。登録者の職種は医師が最も多かった。メール内容は多岐に渡っていたが、患者情報の共有が最も多かった。このMLにおける情報共有の結果、早期から重症患者の画像所見に共通点が判明し、多くの施設から情報が寄せられていた。これらは、客観的情報の共有という点において診断・治療方針の決定に有益であった。
MLにおけるコミュニケーションの大きな問題は認められなかった。しかし、治療方針の相違などは見られていた。今後の対策を考えた場合に、ある一定の基準、作法は共有すべき問題であることが明確となった。そして、集団危機下における患者個人情報の取り扱い方は、「個人情報の保護」と「公共利益の優先」という2つの観点があり、どこまで個人情報を共有して良いか、明確には示されておらず、問題となりうる。その中で行政側が主導してMLを管理することで公共利益の優先が確保され、患者情報の共有が保証されると考える。今回行われたシステムは今後もモデルとなりうる部分であることが判明した。これらについては、さらに法学的評価が必要であり、今後、個人情報管理に関する専門家の聞き取りなどでより良い方法を模索する。
今後の課題として、MLシステム確立における実際の流れを評価し、検体収集など病態解析におけるわが国の問題点も関係機関への聞き取りを通して明らかにしていく予定である。
それらを明確にした中で、今後の来る危機への対応モデル作成を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の予定に照らすと全て投稿内容評価は終了しており、学術集会における議論も行った。明確になった事実や問題は列挙されており、今後の方針は明確になった。
その一方で、病態評価における検体収集の流れなど、わが国における集団危機対応の問題点に関する評価については、関係者への聞き取り調整がつかず、いまだに行えていない。
関係者との連絡はすでに取っており、日程調整を進めて、情報評価を行っていく。

Strategy for Future Research Activity

研究の進捗は特に問題になる状況ではないと判断している。今年度中にWHOへの見学および安全対策に関する海外の対応について評価するべく、予定を進めている。
新たな問題としては、個人情報に関する扱いが今年度に入って、さらに厳しくなる方向で調整されており、それらは当初の予定と異なるものであった。本研究は、今後の集団危機における対策としてどのような土地、地域でも使えるモデル提示であり、今後のわが国における司法状況に合致したものでなくてはならない。それゆえ、今年度中に決定される医療情報に関する個人情報の取り扱いに関する決定を注視していく必要があり、その決定を待つべく、その部分でやや時間を必要とする。また、その内容によっては根本的に情報共有体制を検討しなおす必要が出てくるかもしれない。随時対応予定である。

Causes of Carryover

初年度に購入予定であった物品類に関して、購入が遅延した。また、聞き取り調査の日程調整に時間が必要となり、その旅費使用が遅れている。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成29年度には上記の物品購入や関係者への聞き取り、また海外機関への調査費用なども必要となり、進捗するものと思われる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2017 2016

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] メーリングリストを利用した集団感染時における緊急医療情報管理システムの考察2017

    • Author(s)
      種市尋宙 渋谷伸子 奥寺敬
    • Organizer
      第44回日本集中治療医学会学術集会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      2017-03-09 – 2017-03-11
  • [Presentation] メーリングリストを利用した集団感染時における緊急医療情報管理システムの考察2016

    • Author(s)
      種市尋宙 堀江貞志 野村恵子 足立雄一
    • Organizer
      第20回腸管出血性大腸菌感染症研究会
    • Place of Presentation
      富山
    • Year and Date
      2016-11-10 – 2016-11-11

URL: 

Published: 2018-01-16  

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