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2017 Fiscal Year Research-status Report

多数重症患者発生時の緊急医療情報管理システムの構築に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16K09167
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

種市 尋宙  富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (60565050)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords危機対応 / 腸管出血性大腸菌 / 食中毒 / 国際連携
Outline of Annual Research Achievements

今年度の大きな課題として、「事後の病体解析における諸問題」の明確化とその解決について研究を進めた。われわれが経験した2011年の生肉による腸管出血性大腸菌集団感染事例と同じ時期にドイツでも大規模な集団感染が発生していた。その事例対応はわが国と明らかに異なり、検体収集も国家レベルで行っている。世界的な対応について学ぶべく、WHOを訪問する機会を得た。9/25~9/27の日程でジュネーブを訪問し、各国連機関の視察とWHOにおいて「WHOの食品安全対策」について講義を拝聴した。その後、講師と情報交換を行う中でドイツにおいては事例検証を行っており、早期からEUの枠組みで対応しつつ、国際機関であるWHOとの連携も行っていた。危機的状況となった場合は、世界規模で連携し、多職種連携(微生物学者、臨床医、疫学関係者など)が必要であるとの内容であった。わが国は地理的な問題から難しさは感じるが、連携の重要性は大いに参考になる内容であった。当初よりドイツにおける対応はロベルトコッホ研究所を中心に検体収集を行っていたが、わが国における事例は一施設単独で特殊検査を行うという名目において検体収集を呼びかける以外に方法はなく、時間が経過してから地方衛生研究所の呼びかけで各施設に検体供与のお願いが出たという状況であった。それも各施設で足並みが揃っているわけではなく、検体供与を拒否する施設もあった。また収集された検体は、衛生研究所における検査では使用可能であるが、それ以外には事後検証として使用することは困難な状況となっていた。わが国における現状は、危機的状況への対応システム、国際連携において課題が多い状況であることが確認された。個人情報の取り扱いに関連し情報共有が難しい現在において、司法関係者と議論する機会を得た。この点はさらに当該者と議論を進めていく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定において、緊急メーリングリストの全内容評価は終了し、解析も行った。また、29年度の予定であった国際機関訪問も実現し、ドイツ事例を中心に国際的な食品安全対策と危機対応について学びと議論を深めた。多くの課題が抽出され、わが国の事例解析においても参考となった。今後の課題として残るのは富山県内の関係者と各立場における当時の課題を共有していない点、および今後に向けてのガイド作成となる。また、情報共有における課題に対しては複数の司法関係者とも連絡は取れており、訪問し、問題点についての克服する方法を議論する予定である。当初の計画に追加して、富山県内小児死亡事例の検証システムを構築することを当該研究の一端に加えた。緊急時情報共有システムおよび公的機関連携の基盤となりうるためである。地域モデルの構築が本研究の実現すべき課題である。

Strategy for Future Research Activity

・富山県内関係者と事例振り返り、問題共有を実施(当時メーリングリストを構築した数人)
・地域モデルとして富山県内小児死亡事例情報共有システムの構築を行う、この際、事例検証も視野に含めて法医学者、公的機関関係者(警察など)を含めた情報共有システム構築を進める。5年間の小児死亡事例収集、解析を行い、その後関係者で集まる機会を設ける。最終的には前向きに情報を収集し、定期的な多職種間の事例解析を行うシステムを構築する。
・危機対応モデルとしてフレームワークを作成し、学会発表、論文作成などを行い、当該研究のまとめを行う

Causes of Carryover

各地の司法関係者や当時の危機対応関係者との面談調整が進んでいないため、持ち越しになっている部分はあるが、今年度前半で遂行予定である。

  • Research Products

    (8 results)

All 2017

All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 腸管出血性大腸菌感染症による脳症はどのように診断して治療したらよいでしょうか?2017

    • Author(s)
      種市尋宙
    • Journal Title

      神経内科 Clinical Question & Pearls 神経感染症

      Volume: 1 Pages: 116-120

  • [Journal Article] 【徴候から見抜け!小児救急疾患 押さえておきたい各徴候の病態と対応スキル】 嘔吐2017

    • Author(s)
      種市尋宙
    • Journal Title

      jmed mook

      Volume: 52 Pages: 101-109

  • [Journal Article] 小児救急から見た保育施設の危機管理2017

    • Author(s)
      種市尋宙
    • Journal Title

      保育と保健

      Volume: 23 Pages: 29-31

  • [Journal Article] 小児重症心不全治療の現状と将来 こどもの脳死下臓器提供の現状と小児科医の役割2017

    • Author(s)
      種市尋宙
    • Journal Title

      日本小児循環器学会雑誌

      Volume: 33 Pages: 91-99

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 脳死とこどもの命と小児科医2017

    • Author(s)
      種市尋宙
    • Journal Title

      日本小児科医会会報

      Volume: 54 Pages: 44-47.

  • [Presentation] こどもの薬 適正使用、安全性と添付文書のはざ間で こどもに対するOTC医薬品適正使用下にて発症したオピオイド中毒2017

    • Author(s)
      種市尋宙
    • Organizer
      日本小児科学会
  • [Presentation] 小児心臓移植の国際シンポジウム 日本における子どもの脳死と心臓移植2017

    • Author(s)
      種市尋宙
    • Organizer
      日本小児科学会
  • [Presentation] 種市尋宙2017

    • Author(s)
      地方大学における小児救急
    • Organizer
      日本小児救急医学会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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