2016 Fiscal Year Research-status Report
新人医療従事者のストレス、勤務環境、蓄積的疲労と自律神経機能の変動に関する検討
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16K09174
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
吉田 和代 佐賀大学, 医学部, 准教授 (00271122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
江村 正 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90274589)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 看護師 / 研修医 / 心拍変動 / 自律神経 / 蓄積疲労 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
医療従事者は様々な身体的・心理的ストレスを受けやすく、特に経験が未熟な場合にその傾向が強い。本研究では、1、2年目の医師、看護師に対し、疲労、精神的ストレス、睡眠不足が自律神経機能に及ぼす影響を心拍変動解析を用いて検討し、その結果を職場におけるヘルスケアや就労環境の改善に応用することを目的として実施するものである。 当初計画では本年度1年次研修医20名ならびに1年次看護師30名に対して、24時間心電図を用いた心拍変動解析による自律神経機能の評価と蓄積的疲労徴候インデックス(CSF-I)を用いた疲労度調査、NIOSH職業性ストレス調査票を用いたストレスの評価をを実施し検討する予定であったが、心拍変動解析における副交感神経指標であるHF成分は立位で低下するため、まず勤務中立位の時間が多いと思われる外来看護師において心拍変動解析による自律神経機能評価を実施した。 その結果では交感神経機能指標であるLF/HFについては平均2.08で代表研究者らの以前の研究による研修医の結果と有意な差はなかったが、副交感神経指標であるHF成分は339.2msec2と低い傾向がみられた。今回の結果は少ない症例数での結果であるが、平成29年度以降の看護師と研修医間の比較では考慮すべき因子と考えられた。 また平成28年度1年次研修医におけるCSF-Iの結果では、代表研究者らが行った平成25~27年度研修医における調査と比し統計学的には有意な差ではないものの、女子における「慢性疲労」の項目での訴え数がやや高い傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度実施成果については意義ある結果が得られたと考えるが、初年度は研究概要対象となる新人看護師、新人医師への説明文書や同意書等の整備が必要であり、対象者ならびに関係部署への説明時期が遅れたため、研究参加の同意を得られた数が予定より少なかった。 また、勤務中の体位による影響についての検討を行う必要があると考えられ、初年度はその検討を加えたため、当初計画よりは進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度1年次研修医ならびに1年次看護師に対しては、当研究への参加についての説明を早期に行い、研究へのエントリー数を増やす。 また、看護師については部署による比較検討を十分に行うことができるよう、平成29年度以降の各年度で当初計画よりも被験者の数を増やすことを予定している。
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Causes of Carryover |
「現在までの達成度」に記入したのと同様に、平成28年度は研究説明と同意取得の時期が遅れ、進捗状況が遅れたことと予定よりも研究の参加者数が少なかったことにより、物品購入費が少なく、成果報告のための旅費等が発生しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
「今後の推進方策」に記載したごとく、平成29年度は当初計画よりも被験者となる看護師数を増やす予定であり、必要とする物品やデータの入力量、解析量が増大する。したがって次年度使用額は当初計画よりも増加する物品費ならびに事務担当者の人件費として使用する計画である。
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