2017 Fiscal Year Research-status Report
新人医療従事者のストレス、勤務環境、蓄積的疲労と自律神経機能の変動に関する検討
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16K09174
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
吉田 和代 佐賀大学, 医学部, 准教授 (00271122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
江村 正 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90274589)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 新人医療従事者 / 研修医 / 蓄積的疲労徴候 / 睡眠 / マネージメント |
Outline of Annual Research Achievements |
初期研修医23名に対し、質問紙法による睡眠状況ならびに蓄積的疲労徴候インデックス(CFS-I)の調査を行った。内訳は女性11名男性12名。 睡眠時間の平均は5.74時間(5時0分~7時間0分)。自覚的な睡眠の質については良好8名(34.8%)やや睡眠不足14名(60.9%)非常に睡眠不足1名(4.3%)。非常に睡眠不足と自覚する1名の睡眠時間は5時間であった。 【蓄積的疲労徴候インデックス(CSF-I)の結果について】 男性被験者における各特性の平均訴え数はNF1(気力の減退) 1.41、NF2-1(一般的疲労度) 2.00、NF2-2(身体不調) 0.50、NF3(イライラの状態) 0.33、NF4(労働意欲低下) 1.42、NF5-1(不安感) 1.50、NF5-2(抑うつ感)1.33, NF6(慢性疲労徴候) 2.41であり、いずれも越河らによる医療従事者(男子)における平均訴え数と有意な差はなかった。女性被験者における平均訴え数はNF1 3.36、NF2-1 3.27、NF2-2 0.63、NF-3 1.63、NF-4 2.00、NF5-1 3.63、NF5-2 3.18、NF6 3.63であった。すべての特性において女性の訴え数が男性の訴え数を上回っていたが、これはこれまでの研究で言われている結果と同様の傾向である。女子においてはNF2-2(身体不調)とNF4(労働意欲の低下)以外の特性において+1SDの範囲内であるが前述の越河らによる医療従事者(女子)の平均、ならびに当院における先行研究の平均より高かった。CSF-Iと他の因子との関係では、睡眠時間とは有意な関連は見られないが、内科研修中・女子・院内滞在時間(研修医については労働時間と自己学習時間の分離がしにくい)が長い場合のCSF-Iの訴え数が多い傾向にあり、マネージメント上注意が必要と思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新人看護師についての検討は遅れている。またHolter心電図機器が年度途中で更新に入る予定であったため、心拍変動解析に関してはH30年度に持越しとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画より遅れている部分についての研究を推進するため、本年度は新人看護師を対象とした調査と客観的な自律神経機能解析についてを重点化する。
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Causes of Carryover |
心拍変動解析についての計画の遅れのため、解析に関与する人件費や発表・論文用経費などを使用しなかったため次年度使用予定額が発生しているが、これらは次年度の計画に合わせて実施し使用する予定である。
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