2018 Fiscal Year Research-status Report
新人医療従事者のストレス、勤務環境、蓄積的疲労と自律神経機能の変動に関する検討
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16K09174
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
吉田 和代 佐賀大学, 医学部, 准教授 (00271122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
江村 正 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90274589)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 医療従事者 / 蓄積的疲労徴候 / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
研修医10名、看護師16名に対し、質問紙法により睡眠時間や自覚的な睡眠の質、時間外労働の長さ、蓄積的疲労徴候インデックス(CFSーI)の調査を行った。CSF-IはNF1[気力の減退」NF2-1「一般的疲労感」NF2-2「身体不調」NF3「イライラの状態」NF4「労働意欲の低下」、NF5-1「不安感」、NF5-2「抑うつ感」、NF6「慢性疲労徴候」の各項目からなる。 シフト性の看護師に比して研修医のほうが時間外勤務(ただし研修医では業務と自己研鑽の時間分離がしにくい)の時間は有意に長かったが、睡眠時間は研修医5.65時間(5~6.5時間)、看護師5.88時間(4.5~7時間)、自覚的な睡眠の質については研修医は良好5名、やや睡眠不足4名、未記入1名、看護師は良好8名、やや睡眠不足7名、非常に睡眠不足1名であり、睡眠時間や睡眠の質については両者で明らかな差は認めない。 CSF-Iにおける各項目についての平均訴え数はこれまでの報告による医療従事者の平均と比較すると、研修医ではNF5-1「不安感」の項目が2.60と越河らによる医療従事者の平均よりやや多かったものの有意な差ではなかった。研修医のそれ以外の項目の平均訴え数と看護師の各項目の平均訴え数は前述の医療従事者の平均を上回ることはなく概ね良好であった。本年度は前年度にみられた内科研修中女子のCSF-I訴え数が高いという傾向はみられなかった。また、看護師については経験年数による検討を行ったが、現時点では新人看護師のほうがCSF-I訴え数が高いという傾向は認めなかった。 看護師で心拍変動解析を行った例では副交感神経成分HF(msec2)が低い傾向はあったが、件数が少ないため解析はまだおこなえていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研修医に関する睡眠や勤務時間と蓄積疲労との関係についてはおおむね順調に進捗している。看護師に関しても本年度は研究の進捗をみた。 ただし、心拍変動解析に関しては研究同意を得られる被験者が少なく遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は「働き方改革」の施行初年度でもあるため、本研究の医療従事者のヘルスケアマネージメントについての意義をよりわかりやすく説明し、研究同意が得られる被験者を増やす。
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Causes of Carryover |
研究の遅れにより、特に心拍変動に関する解析のための経費や人件費、また、論文投稿のための費用などが発生していないため、次年度使用額が発生しているが、この分は研究計画の推進に記載したように次年度被験者数を増やして研究を推進することにより使用する計画である。
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