2020 Fiscal Year Research-status Report
新人医療従事者のストレス、勤務環境、蓄積的疲労と自律神経機能の変動に関する検討
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16K09174
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
吉田 和代 佐賀大学, 医学部, 准教授 (00271122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
江村 正 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90274589)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新人医療従事者 / 蓄積的疲労度 / 睡眠 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
1年次看護師38名、1年次研修医11名、2年次研修医13名に対し、質問紙法により睡眠時間や自覚的な睡眠の質、時間外労働の長さ、蓄積的疲労徴候インデックス(CFSーI)の調査を行った。CFS-IはNF1[気力の減退」NF2-1「一般的疲労感」NF2-2「身体不調」NF3「イライラの状態」NF4「労働意欲の低下」、NF5-1「不安感」、NF5-2「抑うつ感」、NF6「慢性疲労徴候」の各項目からなる。 睡眠時間は2年次研修医6.62時間、1年次研修医6.32時間、1年次看護師6.21時間。研修医、看護師ともに「働き方改革法案」施行前の2018年度に比し睡眠時間は長くなった。睡眠の質については研修医は1年次、2年次とも良好と答えたものが最も多かったが、1年次看護師ではやや睡眠不足と感じるものが最も多く、非常に睡眠不足と感じるものが2名いた。 CFS-Iにおける各項目の平均訴え数についての1年次研修医と1年次看護師の比較では、「身体不調」を示すNF2や「イライラ」を表すNF3がわずかに研修医のほうが高い以外は、全て看護師の平均訴え数のほうが高く、特にNF2-1「一般的身体疲労」NF5-1「不安感」NF5-2「抑うつ度」NF6「慢性疲労徴候」において研修医との差が大であった。研修医の1年次と2年次の比較では、NF2-2「身体的不調」を除くすべての項目において2年次研修医が1年次研修医より低い値を示した。 本年度はCOVID-19の流行による影響も考えられるため、「COVID-19の流行が疲労度に影響を及ぼしたと思うか」という項目について追加をしたところ、影響を及ぼしたと考える率は1年次看護師で最も高く、具体的影響については「行動制限によるストレスの蓄積」が全群ともに最も多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度からのCOVID-19流行のため、当初予定していたHolter心電図による心拍変動解析が実施できなかった。、
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづき、1年次看護師、2年次看護師、1年次研修医、2年次研修医に対して調査を行い、結果の解析とまとめを行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19予防対策のためでHolter心電図の実施できなかった。また学会等の開催もなかったため旅費も発生しなかった。次年度は解析のための人件費と結果発表の経費が必要となる。
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