2016 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の観血的歯科治療安全チェックリストの作成とその評価
Project/Area Number |
16K09189
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
浅野 一成 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (10632531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近津 大地 東京医科大学, 医学部, 教授 (30343122)
近江 明文 東京医科大学, 医学部, 臨床教授 (70246221)
松野 智宣 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (80199827)
里村 一人 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
荘司 洋文 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (90235713)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | チェックリスト / 局所麻酔下 |
Outline of Annual Research Achievements |
2008年、WHO(世界保健機構)は手術関連の死亡・重大合併症を世界規模で減少させるために、医療安全を簡素かつ確実に図るためのコミュニケーションツールとなる手術安全チェックリスト(CL)を発表した。そして翌年、世界の8施設(先進国4か国、発展途上国4か国)におけるパイロットスタディーで、術後の重大合併症・死亡が有意に減少したことをHaynesらが報告している。ただし、このCLは全身麻酔下における手術を前提として作成されたものであるため、局所麻酔下における口腔外科手術での使用にはさまざまな変更が必要となる。そこで我々は、平成28年11月の第61回日本口腔外科学会総会・学術大会公募workshopにて「局所麻酔下の口腔外科手術におけるsurgical safety checklistの必要性とデザイン」のタイトルにて、まずは、PubMEDで”safety surgical checklist”と “oral surgery”をキーワードに検索し、抽出された17の報告とそれらの引用文献から特に局所麻酔下の処置に関するCLについて検討し、同様に”safety surgical checklist”と”dental implant”で抽出された3つの報告についても検討を加え、報告した。結果から、CLを使用することによって有意に誤抜歯が減少することが認められた。また、インプラントに関しては埋入時のエラーやリスクの減少、さらに成功率の増加などの有用性が示されている。このような背景をもとに、我が国における局所麻酔下の口腔外科手術の現状にマッチしたCLのデザインを検討し、試作段階のチェックリスト作成を先に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年には、65歳以上の高齢者の観血的歯科治療におけるインシデント、アクシデントの事例を日本歯科大学附属病院、東京医科大学病院、鶴見歯科大学附属病院の3施設にて調査収集し、その患者背景や治療内容、原因、対応および転機などを分析する予定であったが、日本国内や海外でのチェックリストの文献的検索を優先的に行い、現段階での小外科手術で必要な術前術後のチェック項目の検討を行っていたため、倫理診査委員会への書類を提出していないことが原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、すみやかに倫理診査委員会へ書類の提出を行い、受理された後、アンケート等により東京医科大学口腔外科学分野、鶴見歯科大学口腔内科学、日本歯科大学附属病院口腔外科の3施設によるインシデント、アクシデントの症例を収集し、分析・評価を行う。その結果より、高齢者に対する観血的処置を行う際の重要ポイントをピックアップし、試作段階のチェックシートを作成する。その後、3施設にて試用してもらい、その評価を行っていく。
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Causes of Carryover |
平成28年は文献的考察より試作段階のチョックリストの作成を行ったため、研究分担金と学会発表で雑費の支出のみであったため、繰越金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度では、東京医科大学口腔外科学分野、鶴見歯科大学口腔内科学、日本歯科大学附属病院口腔外科の3施設で行うアンケートを作成・評価する。そのため各施設より報告のあった事例の内容についてRM-WGで集計し、分析を行うために使用する。
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Research Products
(1 results)