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2016 Fiscal Year Research-status Report

危険ドラッグの脳内取込み様式と脳内報償系における毒性形成機構の神経科学的解明

Research Project

Project/Area Number 16K09197
Research InstitutionAsahikawa Medical College

Principal Investigator

清水 惠子  旭川医科大学, 医学部, 教授 (90312462)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 奥田 勝博  旭川医科大学, 医学部, 助教 (00389115)
田中 宏樹  旭川医科大学, 医学部, 助教 (70596155)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsジフェニジン / 危険ドラッグ / マイクロダイアリシス / 薬物依存
Outline of Annual Research Achievements

ジフェニジンが脳内報酬系のA10神経系を刺激し、依存症を形成する可能性を考慮して検討を行った。Slc:Wistar/ST系雄性ラットに麻酔下で透析プローブを側坐核、前頭前野または線条体に埋め込み、翌日無麻酔・無拘束下で透析を開始し、15分毎にHPLC/ECDに自動注入してノルエピネフリン、ドーパミンおよびセロトニンの定量を行った。その後、ジフェニジンを10または20 mg/kgとなる様に腹腔内投与し、さらに定量を続けた。同時に赤外線センサーによる自発的運動量の解析を行った。
ジフェニジン投与直後から自発的運動量の増加と脳各部位におけるドーパミンおよびノルエピネフリンの濃度上昇が観察された。その程度は前頭前野で最も強く、ドーパミンが平常時の約10倍、ノルエピネフリンが約5倍であった。側坐核でもドーパミンが約5倍、ノルエピネフリンが約4倍の上昇を示したのに対し、線条体では共に2倍程度の上昇に留まった。いずれの部位においてもセロトニンの顕著な変動は認められなかった。これらの結果により、ジフェニジンは黒質から線条体へ投射されるA9神経系よりも、腹側被蓋野から辺縁系(側坐核・海馬・扁桃体等)と皮質(前頭前野)に投射されるA10神経系、いわゆる脳内報酬系を優位に刺激していることが示唆された。また構造類似体であるケタミンは、ノルエピネフリン量を大きく変動させ、ドーパミンや自発的運動量への影響は限定的であった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初予定していた側坐核におけるジフェニジンのドパミン神経作用の解明に加え、前頭前野および線条体への影響も評価することができた。一方、血液脳関門通過様式の解明については、中枢移行性は確認したものの詳細な検討には至っていない。

Strategy for Future Research Activity

血液脳関門通過様式の解明について、各種阻害剤を用いながらジフェニジンの脳内取り込み量を評価し、その通過様式が、受動拡散であるのか、何らかの輸送担体を介しているのかを明らかにする。何らかの阻害物質が見つかれば、平成28年度の検討で明らかにしたドーパミン等の変動について、その阻害剤の影響を評価する。さらにNMDA受容体阻害剤等も同様に検討する。その後、当初予定していたGABAの関与に関わる検討へと移行する。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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