2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the relationship between senile systemic amyloidosis and sudden death
Project/Area Number |
16K09204
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
塩崎 哲也 信州大学, 医学部, 助教(特定雇用) (00722018)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 紀子 信州大学, 学術研究院医学系, 助手 (00649254)
布谷 美弥 信州大学, 医学部, 特任助教 (10759921) [Withdrawn]
浅村 英樹 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (80324250)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | アミロイドーシス / 野生型トランスサイレチン / 突然死 |
Outline of Annual Research Achievements |
野生型ATTRアミロイドーシス(ATTR-wt)は、以前は老人性全身性アミロイドーシスと呼ばれ、加齢を原因として心臓におけるアミロイドの蓄積を特徴とし、その結果、致命的な心不全や不整脈を引き起こすとされる。しかしながら臨床症状に乏しく、診断にも生検による組織検査が必要とされることから、臨床診断の難しい疾病とされる。高齢化が進む日本においてATTR-wtは注目されるべき疾患である。本研究では、60歳以上の法医解剖例556人の心臓へのアミロイド沈着を調査した。その結果、罹患率は5.6%(556人中32人)で、年齢に比例して罹患率が増加した。80歳以上の罹患率は12.3%で、90歳以上は34.9%と特異的に罹患率が増加した。性別では、男性に罹患率が4.3%(14/325)であるのに対し、女性が7.8%(18/231)とに多く、80歳代では男性が3.6%に対し女性が9.3%と女性の罹患率多い結果となった。過去の報告では、ATTR-wt 男性に発症する疾病であるとされるが、本研究の結果から女性にも十分発症する疾病であることが示唆された。陽性例32例の死因は、焼死、溺死、低体温、自殺、および交通事故といったATTR-wtに関連しない死因が29例であった。一方、3例でATTR-wtに起因する心不全が死亡の原因であった。ATTR-wtは、高齢者における予期せぬ死亡の危険因子である可能性が示唆され、法医学分野においても注目すべき疾病と考慮される。
|
Research Products
(2 results)