2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K09208
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 武史 神戸大学, 医学研究科, 講師 (20335441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 易弘 神戸大学, 医学研究科, 教授 (30184956)
高橋 玄倫 神戸大学, 医学研究科, 講師 (90509100)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | OPG |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、今年度まで行ってきたOPG研究を継続させると共にそれを発展させ、法医解剖における心臓性突然死に重点を移しつつ、心血管系におけるOPG-RANKL軸の役割を解析し、OPG-RANKL軸に関する総合的かつ融合的な研究を遂行・発展させる。 OPG-RANKL軸は、骨代謝の恒常性を維持する上で重要である。一方、心血管系組織にもOPGが発現することが知られており、OPGの血中濃度は心不全や心肥大等において高くなることが知られているが、そのメカニズムや生理学的意義は不明である。OPG-RANKL軸が心臓性急死、心不全、心筋障害、心筋リモデリング等にどのように関与しているかという観点から、法医解剖例心筋におけるOPG及びその受容体のRANKの発現を免疫組織化学にて評価した。種々の死因の法医解剖例、50例のホルマリン固定パラフィン包埋心筋組織を用いて、OPG及びRANK蛋白の発現を免疫組織化学にて検討した。死後経過時間は48時間以内とした。抗原賦活を行い、ポリマー法にて染色した。心筋組織にOPG、RANK共に蛋白発現を認めた。OPGは全体に弱く陽性であったが、心内膜側にやや濃く染色された。血管内の血漿成分、血球成分に強く陽性となった。一方、RANKはOPGよりも強く瀰漫性に陽性となり、血管壁にも弱い陽性像を認めた。線維化巣等の心筋リモデリングが推定される部分でもOPG及びRANK発現に変化はなかった。今回特定の死因との関係は見いだせなかったが、心筋においてOPG-RANKL軸が何らかの恒常的なオートクライン的調節機構を担っている可能性が示唆された。 本結果は平成28年6月の日本法医学会学術全国集会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
法医解剖症例において血清中のOPG蛋白を、死因に応じて、ELISA法やWestern blot等の手法により解析することとなっているが、実験の条件設定やサンプル収集に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
ELISA法やWestern blot法の条件設定を急ぐと共にサンプル収集も急ぐこととする。
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Research Products
(1 results)