2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of postmortem differential diagnosis between traumatic and non-traumatic axonal injury
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16K09212
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小片 守 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10152373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 敬人 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (40512497)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | びまん性軸索損傷 / 外傷性・非外傷性 / 法医学的鑑別診断法 / 神経栄養因子 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでわれわれは,β-amyloid precursor protein (APP)の2種類の染色パターン(1型:索状配列型,2型:不規則型)やinterleukin(IL)-8免疫染色によって外傷性,非外傷性の軸索損傷を鑑別できる可能性があることを報告してきた。平成29年度は軸索損傷時に発現すると考えられる神経栄養因子brain-derived neurotrophic factor(BDNF)及び再生阻害因子myelin associated glycoprotein(MAG)の各発現について免疫組織化学的に検討したところ,いずれも鑑別に有用ではないという結果であった。そこで,平成30年度は神経栄養因子NGFに加えて,最近軸索損傷との関与が報告されているオートファジー関連の指標であるULK1(unc-51-like kinase 1)の各発現について免疫組織化学的に評価し,外傷性・非外傷性の軸索損傷の鑑別に有用か否かについて検討した。 鈍的頭部外傷死22例(受傷後生存時間:短時間~14日間)の脳梁切片を用いて,NGF及びULK1に対する免疫染色を行ったところ,NGFは出血部周囲のグリア細胞等には陽性所見が得られたものの,APP陽性の軸索損傷(axonal bulb: AB)に有意な陽性所見は得られなかった。一方,ULK1はABに陽性所見がみられたものの,その他の損傷部(挫傷部,出血部など)も陽性を示し,軸索損傷に特異的なものではなかった。したがって,NGF,ULK1については軸索損傷の法医学的診断には有用ではないと思われる。 今後,軸索損傷の診断に有用な指標について継続的に検討したい。
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Research Products
(6 results)