2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K09221
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
山口 晃志 日本医科大学, 医学部, 講師 (90465344)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ゾルピデム / 代謝物 / LC-MS/MS / 有機合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、ゾルピデム代謝物について簡便な合成法を見出した。しかし、それらを標準品として定量分析をする場合、標準品の純度が充分高いものでないと、正確な定量値が得られない。そこで、各種分析により、合成した標準品の純度を調べた。 ゾルピデムM-1及びM-4は、NMR及び元素分析でほぼ純粋なものができていることが分かった。また、M-3はメタノールを溶媒に再結晶すると一見きれいな結晶ができているものの、メタノールが結晶溶媒に含まれることが分かった。そこで、メタノールを用いずに再結晶し、元素分析で理論値との一致に至った。 一方、、純度の高いM-2を得るのは困難であった。NMR分析では不純物の存在は確認できないものの、元素分析で理論値と一致しなかった。これは、何らかの無機塩が含まれている可能性を示唆している。M-2はカルボン酸を持ち、さらに窒素を含む複素環も持つため、様々なカウンターイオンと塩を作る。そこで、様々なカウンターイオン存在下での精製を試みた。すると、アンモニアやジエチルアミンなどの塩基存在下で、比較的有機溶媒に溶ける性質を持つことが分かった。この性質を利用すれば無機物との分離ができると考えられるため、現在、これら塩基存在下での結晶化による精製を試みている。 さらに、7-水酸化体は酸性条件では安定であるものの、塩基性条件では徐々に分解することが分かった。これは、水酸基を持つイミダゾピリジン環が塩基性では酸化などによって分解するためと考えられる。現在酸性条件での精製を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
合成した標準品は精製して高純度でないと、それを標準品として用いた定量分析は正しい濃度を与えない。合成した代謝物のうち、M-2と7-水酸化体は結晶性が悪く、元素分析において理論値と一致しない。さらなる精製が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
合成した代謝物はpHによって塩になる。そこで、カウンターイオンを各種試み、結晶性の高い性質のものを見出し、純度の高いものを得る。 その後、分析を試みる。
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Causes of Carryover |
標準品の精製が困難で、計画が遅れている。標準品が精製できた後、分析法を開発する。この段階で、分析カラムや分析機器のメンテナンスなど、高額費用が発生する。
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