2018 Fiscal Year Annual Research Report
Enzymatic and metabolic adaptation to chronic alcohol consumption mediated by alcohol dehydrogenase 1 and 3 in mice.
Project/Area Number |
16K09223
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大野 曜吉 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (70152220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 勉 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10421190)
奥田 貴久 日本医科大学, 医学部, 准教授 (20620305)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アルコール脱水素酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアルコール性肝障害の進展にアルコール脱水素酵素(ADH)がどのように関わっているかをあきらかにする基礎研究である。Wild Type(WT)/Adh1およびAdh3遺伝子欠損マウスを10%エタノール水で1ヶ月飼育し、またコントロールとして水で飼育したものを用意した。その後、4.0g/kgエタノールを腹腔内に急速投与し経時的にアルコール血中濃度を測定するとともに、各種各群から肝を取り出し肝ADH1およびADH3の酵素量・酵素活性・mRNA解析を行った。その結果、エタノール水飼育群が水飼育群よりもアルコール濃度時間曲線下面積(AUC)は有意に低く、代謝速度は有意に速く、マウスのAdh遺伝型に関わらず代謝耐性があった。さらに、酵素活性・mRNA発現は慢性飲酒によって変化しないものの、酵素量はADH1およびADH3ともに代謝速度の亢進に相関して増加した。酵素活性・mRNAは各種において有意差は認められなかった。以上より、肝ADH1・ADH3ともに代謝適応があり、慢性飲酒の初期には酵素量を増加させてアルコール代謝の亢進に寄与していることが示唆された。このように、ADH1のみならずADH3も慢性飲酒においても代謝耐性を獲得し、全身諸臓器でアルコール代謝に強く関与していると考えられた。本研究はJ Gastroenterol Hepatol. 2018;33(11):1912-19に掲載されている。
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