2017 Fiscal Year Research-status Report
閉塞性睡眠時無呼吸の診断と治療効果を予測するバイオマーカーの探索研究
Project/Area Number |
16K09238
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊東 範尚 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00621757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 浩一 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00528424)
樂木 宏実 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20252679)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA) / マイクロRNA(miRNA) / ポリソムノグラフィー(PSG) / 持続陽圧呼吸(CPAP) |
Outline of Annual Research Achievements |
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、循環器疾患などの原因の一つであり、早期診断・治療が必要である。OSAの確定診断はポリソムノグラフィ(PSG)を用いて入院で行われるが、患者への侵襲や費用の問題もあり、スクリーニング検査が重要である。しかし、スクリーニング検査であるフローセンサーや睡眠簡易モニター検査等は感度・特異度が患者の手技と自己申告に影響されるという問題がある。OSA患者では夜間に間歇的な低酸素状態が繰り返されるという特徴があることから、OSA患者で特異的に増加している血漿中microRNA(miRNA)を同定し、OSAのスクリーニングや治療効果判定における有用性を検討することを本研究の目的としている。 まず候補となるmiRNAの絞り込みの研究を(計画1)とし、その候補miRNAを対象全例で定量しOSAのスクリーニングや重症度の判定における有用性について検討する研究を(計画2)、持続陽圧呼吸(CPAP)療法などの加療による経時変化を検討する研究を(計画3)とした。 日中の眠気や睡眠時のいびき・無呼吸、難治性高血圧などの精査目的にて入院した患者に同意を得て、臨床データや血液などの検体を集めた。臨床データの解析により身体機能や認知機能が維持されている高齢者においては、年齢以外の古典的な臨床データでOSAの重症度が予測できないという結果を論文に報告した。また、PSGによる評価で重症OSA患者と非OSA患者の血漿からmiRNAを抽出し、発現量の定量評価を行った。発現量が両群間で1.5倍以上の差を認めたmiRNAは5種であった(計画1)。 対象全例における血漿中miRNAの発現量評価を行い、その一部について学会発表を行っている(計画2)。また、対象患者の中でCPAP療法などを行った患者において結腸中のmiRNAを評価しているところである(計画3)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日中の眠気や睡眠時のいびき・無呼吸、難治性高血圧などの精査目的にて入院した患者に同意を得て、臨床データや血液などの検体を集めており、症例は順調に集まっている 性別や年齢などの患者背景をマッチさせた重症OSA群と非OSA群の各4人の候補者の血漿から特異性の高いmiRNAの同定(計画1)も終了している。 現時点で、血液サンプルにおけるmiRNAの発現量の評価(計画2)とCPAP療法などによるmiRNAの経時変化を検討しており(計画3)、現時点ではおおむね順調に進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の方針の続行で良いと考えている。引き続き症例数の増加を図っていく。
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Causes of Carryover |
血液サンプルにおけるmiRNAの発現量の評価(計画2)とCPAP療法などによるmiRNAの経時変化を検討(計画3)する予定であり、いずれも次年度に計測する予定である。
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