2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the prevention and complementary treatment of advanced cancer: Examination of presymptomatic diagnosis and reactivation of cancer suppression mechanism
Project/Area Number |
16K09258
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田中 朝雄 東海大学, 医学部, 講師 (50192175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 政光 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 教授 (00182460)
鈴木 孝良 東海大学, 医学部, 教授 (40287066)
鬼島 宏 弘前大学, 医学研究科, 教授 (90204859)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 癌 / 診断 / 治療 / 代替補完療法 / 槐耳(カイジ) / 新規腫瘍マーカー / セプチン4 / セプトフォー測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.オリンパス1分子蛍光測定器MF20を用いたセプチン4の血中計測による超早期発見を普及促進を目指し、2019年3月末日までにのべ1,170名の測定を実施した。うちセプチン4検査陽性者には大腸内視鏡検査を共同研究者らに依頼し、早期大腸癌や大腸ポリープ、腺腫、カルチノイドを発見し、内視鏡下手術にて摘出した。これはZauberら(New Eng. J. Med. 366, 687-696, 2012) による大腸内視鏡下ポリペクトミーが大腸癌死の長期的予防効果に基づき、将来大腸癌となる可能性を消滅することができたと考えられる。 2. 1970年代より抗癌剤補助として使用されてきたベータ・グルカンを主成分とする槐耳(カイジ、学名Trametes robiniophila murrill)を用いて大腸癌や乳癌、肝癌、膵癌等に代替補完療法の臨床研究を行ってきた。方法として、分子標的医薬や抗癌剤、放射線療法、ホルモン療法を受けていない癌患者ボランティアの槐耳投与前、投与後(場合によっては手術直)1月と3月に採血を行い、その血中RNAを抽出し、RNAシークエンシングを行い、トランスクリプトームmRNA, ノンコーディングRNA他の体系的解析を行った。その結果、全ての生理学的システムおよび経路に関連したゲノムワイドに発現された遺伝子の間で劇的な変化を明らかにした。単一の遺伝子の変化と突然変異が発癌の過程で段階的に蓄積するのに対し、槐耳治療により何千もの突然変異が観察された。トランスクリプトームのパターンは槐耳の投与前後で変化し、研究期間の3ヶ月間で、全26,711の発現遺伝子のうちの20から50%に達した。これらの変化は、ゲノム全体の中で散在した転写物すべてに生じ、細胞増殖やシグナル伝達のような、癌対照だけでなく、全身システムを維持するための代謝システムおよび他の調整物質にも生じた。
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