2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of renal dysfunction improvement by Kampo treatment
Project/Area Number |
16K09259
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
新井 信 東海大学, 医学部, 教授 (30222722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 景正 東海大学, 医学部, 講師 (00204397)
中田 佳延 東海大学, 医学部, 講師 (40594578)
木村 穣 東海大学, 医学部, 教授 (10146706)
石井 直明 東海大学, 健康学部, 教授 (60096196)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 黄耆 / シスプラチンAKI / マウス / 血清クレアチニン濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
シスプラチン投与による急性腎障害(シスプラチンAKI)を用いて、前年度の腎虚血再還流AKIで薬効を認めた黄耆について解析を行った。まずCKDの発症頻度が高い老齢時期に注目し、老齢マウス(生後1年以上)での黄耆の効果を検討した。当初、20 mg/kgシスプラチンを投与してAKIモデルを作成しようとしたが、若年マウス(10週齢)と比較して、ほとんどの老齢マウス(生後1年のマウス)は投与3日目までに致死に至った。そこでシスプラチン投与量を14 mg/kgにしたところ老齢マウスが生存でき、さらに腎組織切片を用いた解析で、老齢マウスでのみ明らかなAKI症状が引き起こされることを確認した。通常の飼料で飼育した老齢マウスでは、14 mg/kgシスプラチン投与後3日目で血清クレアチニン(CRE)や血清尿素窒素(BUN)が有意に上昇し、腎組織障害についても尿細管の血液細胞浸出が顕著に認められる組織像であった。一方、この老齢マウスに予め黄耆含有飼料で飼育した(黄耆100 mg/kg/1日)ところ、黄耆投与を2週間以上続けたマウスでは、14 mg/kgシスプラチン投与後3日目のCRE・BUNの上昇は認められず、健常レベルと有意差がなかった。またシスプラチンによる腎組織障害も明らかに軽減していた。既に黄耆がシスプラチンの副作用に有効であることが報告され、またシスプラチンの副作用の主病態が腎障害であることから、黄耆薬効と腎障害改善の関連性が強く示唆される。おそらく老齢マウスでのみ発現するシスプラチン感受性因子が存在し、それが黄耆によって発現抑制されるか不活性化する分子メカニズムの可能性が考えられた。
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Research Products
(3 results)