2019 Fiscal Year Research-status Report
口腔内細菌およびプロバイオティクス由来活性物質による新規食道癌予防・治療法の開発
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16K09277
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
盛一 健太郎 旭川医科大学, 医学部, 特任准教授 (70455715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 伸展 旭川医科大学, 医学部, 特任講師 (30436000)
藤谷 幹浩 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (80322915)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 食道癌 / プロバイオティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までに食道癌群24名25病変とコントロール群9名から食道癌および正常粘膜組織と唾液を採取した.進行食道癌群3例からは食道癌部,正常食道粘膜部,口腔内唾液をそれぞれ採取して,同様に3例の早期食道癌群からは,正常食道粘膜部,口腔内唾液を採取した.6例のコントロール群では,正常食道粘膜と口腔内唾液を採取している.菌叢解析は計12症例27検体について施行した.解析方法は調製した16SrRNA遺伝子アンプリコンをMiSeq次世代シークエンサーにて配列解析を行った.得られた配列をプリプロセス後,フローラジェネシスソフトウエアによる配列のグループクラスター化,細菌種類アサインと系統解析を実施した.全27検体のデータをまとめた系統解析,クラスター分類の結果,490の細菌クラスターに分類された.細菌クラスター全体では57.8%に当たる283クラスターが,各サンプルレベルでは 34~59%のクラスターの細菌種アノテーション付与がなされた。現在2種の菌株に注目しており,これらの菌株と食道癌との関連について検討を進めていく.具体的には,これらの培養上清を用いて正常食道扁平上皮細胞株であるHet1AやKYSE30,KYSE70,OE19,OE33などの食道扁平上皮癌および食道腺癌由来のcell lineを用いて増殖能などの生理学的作用について解析を進めていく予定である. また,我々は食道癌細胞株に対してプロバイオティクス由来の腫瘍増殖抑制作用を持つ特異的抗腫瘍分子を同定している.現在同分子よる食道癌増殖抑制効果について作用機序の解析を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例の蓄積に時間を要した.特に対照群になる症例が少なかった.
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Strategy for Future Research Activity |
症例の集積は一度終了として,菌叢解析から得られた結果の検証を行う.また,先に同定したプロバイオティクス由来の抗腫瘍活性物質については,引き続き機能解析を推進してゆく.
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Causes of Carryover |
細菌株の追加購入費と,その実験にかかる消耗品台として使用するため.
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