2016 Fiscal Year Research-status Report
癌関連転写因子の標的非コードRNA解析による消化器癌病態の解明
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16K09285
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
井戸川 雅史 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00404749)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | lncRNA / ChIP-seq / p53 / 癌 / 転写因子 / マイクロアレイ / non-coding RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,蛋白に翻訳されない非コードRNA(non-coding RNA,ncRNA)の役割が注目されつつある.中でも,長鎖非コードRNA(long non-coding RNA, lncRNA)が,発生,分化,幹細胞性などの様々な生物学的現象や,癌をはじめとして,心筋梗塞などの冠動脈疾患,アルツハイマー病,自己免疫性疾患などにおいて重要な働きを持つことが明らかになりつつある.そこで,消化器癌関連転写因子の標的となる non-coding RNA,特にlncRNAを網羅的に同定したい.次に,同定された標的lncRNAの機能を明らかにすることで未知の消化器癌病態の解明を目指したい. まず,癌の約半数で変異が認められる癌抑制遺伝子であるp53の標的lncRNAを探索するために, FLAGタグのついた正常型p53および癌において高頻度に認められる8種類の変異型p53を発現するアデノウイルスベクターを作成した.次に,p53欠失の癌細胞H1299に対して,アデノウイルスベクターを用いて正常型および変異型p53を過剰発現させ,抗FLAG抗体によるクロマチン免疫沈降後,沈降産物の次世代シーケンサー解析(ChIP-seq)を行った.得られたシーケンスデータはBowtieソフトウェアを用いてゲノム上にマッピングを行った後,MACSソフトウェアを用いて結合領域に形成されるピークを検出した.これらのピークの近傍に存在するlncRNAを,現在抽出中である.また,同様の条件でmRNAを抽出し,マイクロアレイを用いて網羅的な発現解析も進めているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り研究が進んでいるため.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,研究計画に従って研究を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
学内の共通機器の利用により受託解析経費が抑えられたため.旅費については本年度,海外の学会に参加しなかったため,
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マイクロアレイやRNA-seqによる発現解析に使用する予定である.また,海外の学会参加を予定している.
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Research Products
(3 results)