2016 Fiscal Year Research-status Report
インフラマソームからみたバレット食道の発生ならびに発癌機序の解明と予防法の確立
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16K09288
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
渡邉 俊雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (50336773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 靖弘 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40285292)
谷川 徹也 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70423879)
富永 和作 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (80336768)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バレット食道 / インフラマソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトバレット食道細胞の培養での検討では、グラム陰性桿菌の構成分子であるLPSの刺激により、上流であるToll Like Receptor4 (TLR4)のパスウェイが、活性化することが明らかになった。また、このTLR4パスウェイの刺激により下流のインフラマソームシグナルも誘導されることが明らかとなった。活性化するインフラマソームの種類としてはApoptosis-associated speck-like protein containing a CARD(AIM)2 ,NLRC4など様々な種類のNOD-like receptors(NLR)インフラマソームのうち、NLRP3インフラマソームであることが明らかとなった。これにより食道発がんにおいて主に関わっているインフラマソームの種類はNLRP3インフラマソームであることが明らかとなった。また、ヒト正常細胞、バレット食道細胞、食道がんの培養細胞において、TLR4の反応性の違いを疑い遺伝子変異を比較しPCR後、シークエンスで検索したが、TLR4のmRNAに関しては明らかな遺伝子変異は検出されず、TLR4の遺伝子変異が発がん、バレット食道変異に関わっているわけではないことが明らかになった。 ラット逆流性食道炎モデルでの検討においても、逆流性食道炎作成後3日という短期モデルで、NLRP3のmRNAの著明な上昇を認め、逆流性食道炎作成後約1ヶ月という長期モデルにおいてもNLRP3のmRNAの上昇は持続していた。今後ほかのインフラマソームの確認を含めた、再度の確認実験が必要であると考えており予定している。 インフラマソームシグナルの下流に位置するIL-1betaのmRNAにおいても長期モデルにおいて、著明な上昇を認めた。よって、このラット逆流性食道炎モデルにおいても、ヒトバレット食道形成と同様に、炎症誘導にNLRP3インフラマソームが関与していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在動物モデルの作成は安定しないものの可能である。条件安定を目指して条件検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットモデルに加えて、マウスモデルの可能性を検討し動物モデルの改良を図っていく予定である。 また、ラットモデルにおいて、蛋白レベルの検討、薬剤投与などの検討を追加していく予定である。
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Causes of Carryover |
ラットやマウスでのモデルを使用し検討を行いました。来年度に経費のかかる実験を持ち越しています。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ラット、マウスを用いた基礎実験で消費する予定です。
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