2017 Fiscal Year Research-status Report
GISTにおける免疫チェックポイント機構を介した抗腫瘍免疫誘導に関する検討
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16K09292
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
込田 英夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90534561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 定 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50192323)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | GIST / Imatinib / 免疫チェックポイント / Galectin-9 / PD-L1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はGIST治療の標準治療薬であるチロシンキナーゼ阻害剤imatinibがGIST細胞の免疫チェックポイント関連分子や腫瘍抗原の発現に及ぼす効果を中心に研究を行った。実験には代表的なヒトGIST細胞株であるGIST-T1細胞を用いた。 前年度の研究成果より、ヒトGISTにおいてはTim-3/Galectin-9をaxisとした免疫チェックポイント機構が作用していることが示唆された。GIST-T1細胞のimatinib 0-0.1 uM, 48時間処理では量依存的にgalaectin-9蛋白の発現低下が認められたが、RT-PCR解析では、imatinib 1.0 uM処理でgalectin-9 mRNA発現の顕著な増加が認められた。チロシンキナーゼ阻害剤がgalectin-9の発現をどのように制御するか今後の研究成果が期待される。 腫瘍細胞に発現するprogrammed cell death ligand-1 (PD-L1)は活性化T細 胞に発現するprogrammed cell death-1のligandとして作用し、T細胞にapoptosisを誘導する代表的な免疫チェックポイント分子である。無処理GIST-T1細胞はPD-L1をほとんど発現しないが、interferon-gamma (IF-g)処理によりその発現は著しく上昇する。GIST-T1細胞をIFN-gとimatinibで同時処理するとPD-L1の発現誘導は有意に抑制されたが、imatinibに量依存性はなく0.1 uMと1 uMでの効果は同等であった。また、興味深いことに、GIST-T1細胞をimatinibで24時間前処理し、その後IFN-g処理を行うと、無処理GIST細胞に比較してより高いPD-L1の発現誘導が認められた。しかし、imatinib前処理後、IFN-gとimatinibの同時処理を行うと、PD-L1の発現上昇は抑制された。Galectin-9と同様にINF-g誘導性PD-L1の発現上昇もチロシンキナーゼ阻害剤処理により制御されることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GISTに対する抗腫瘍免疫活性はTim-3/galectin-9による免疫チェックポイント機構による抑制が関与していること、Imatinib治療がこの免疫チェックポイント機構の作用を就職しうることが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得有られた研究成果をさらに確実にして発展させるために、GIST症例より得られたGISTの初代培養細胞と、同じ症例から由来したTリンパ球の反応をin vitroにおいて解析し、免疫チェックポイント分子がその反応をどのように制御するかを明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
次年度に研究推進に際して、物品の購入や諸経費が必要となり、そのため次年度繰越使用としました。
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