2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K09293
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
岩切 勝彦 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50221099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 章 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00256942)
辰口 篤志 日本医科大学, 医学部, 講師 (10350125)
野村 務 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60287737)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高ガストリン血症 / プロトンポンプ阻害薬(PPI) / カルチノイド腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は当院倫理委員会の承認を得たのち、被験者より同意を得て開始することとなっている。平成28年9月当院倫理委員会の承認を得られたため研究を開始した。 当院消化器・肝臓内科または消化器外科に通院中であり、3年以上PPIを服用しているGERD患者で高ガストリン血症(400mg/ml以上)を有する患者50名(高ガストリン血症を有する患者はPM群である約20%の患者と考えられることから、50人の患者を集めるために250人のPPI長期服用患者の早朝空腹時血中ガストリン値を測定し)被験者の絞り込みを開始した。 同意を得られた被験者に対して次のような内視鏡生検を開始した。ルーチンの上部消化管内視鏡施行時に幽門輪より2cm以内、胃体部大弯より各2個、計4個の生検を行い、Hematoxylin-Eosin(HE)染色と免疫染色を施行した。ECL細胞の同定目的にChromogranin A (CgA)、Synaptophysin、CD56に対する抗体を用いて、通常のABC法により免疫染色を施行した。 CgAは、幽門部では腺底部から中間部にかけて、胃体部では胃底腺領域に陽性であった。CD56は、どちらの領域でも神経細胞には陽性であったが、腺上皮領域には、ほぼ陰性であった。Synaptophysinは、幽門部では腺底部から中間部にかけてに陽性で、CgAとほぼ同様の染色性が認められた。胃体部では胃底腺領域に陽性だったが、CgAと比べるとはるかに低い陽性率であった。上記結果より、ECL細胞の同定にはCgA染色が適切であると判断し、陽性率の計算にはCgAの結果を用いることにした。CgA陽性細胞を個々の症例でカウントし、胃底腺領域の面積 (/m㎡)比を計算した。64 (25-100)/m㎡であった。血清ガストリン濃度とCgA陽性細胞密度との間に相関関係は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は22名(計32例)の高ガストリン血症を有する患者に対して、内視鏡生検を行った。PPI内服後のガストリン値が1000mg/mlを超える7人の患者の存在も明らかとなり、長期高ガストリン血症の胃粘膜に及ぼす影響が明らかになることが期待される。 今後は、①細胞数(総上皮細胞および各染色陽性細胞の個数)②細胞率(総上皮細胞数に対する各染色陽性細胞の比率)③細胞密度(総上皮細胞及び各染色陽性細胞の密度(個/μm2)④過形成の有無、異形成の有無 ⑤ECL細胞腫瘍(カルチノイド腫瘍)の有無 ⑥その他の腫瘍の有無の検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は22名(計32名)の高ガストリン血症を有する患者に対して、胃粘膜の生検を行った。来年度も被験者をさらに増やし、本年度と同様の生検を継続して行い、本年度分のデータと併せて解析を開始する予定である。解析結果をもとに学会発表、論文作成を行う予定である。計画通りに被験者が集まらない場合は研究代表者・研究分担者以外の消化器・肝臓内科および消化器外科の医師に被験者収集に関して協力を求める。
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Causes of Carryover |
被験者をさらに増やして次年度も内視鏡生検を継続して行い、解析作業を開始する。 解析作業に基づき、学会発表、論文作成を行う。
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