2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of long-term hypergastrinemia on gastric mucosa
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16K09293
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
岩切 勝彦 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50221099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 章 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00256942)
辰口 篤志 日本医科大学, 医学部, 講師 (10350125)
野村 務 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60287737)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高ガストリン血症 / プロトンポンプ阻害薬(PPI) / カルチノイド腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
PPI長期投与(3年以上)患者における早朝空腹時のガストリン値を測定し、PPI投与後のガストリン値のmean+SDを超える400pg/mL以上の高ガストリン値を認めた患者20人を対象とした。その胃体部大弯粘膜から2個生検を施行、Hematoxylin-Eosin染色にて過形成の有無、異形成の有無、ECL細胞腫瘍(神経内分泌細胞腫瘍)の有無、その他の腫瘍の有無の検討を行い、Chromogranin A (CgA)染色、Ki-67染色を行った。胃底腺領域のCgA陽性細胞、Ki67陽性細胞数はhotspotを選び、カウントした。相関関係の検討は、Spearmanの順位相関係数を用いた。更に血清ガストリン値を1000pg/mLで区切って2群間のCgA陽性細胞数を比較するためMann-Whitney U検定を用いた。 結果であるが、ガストリン値の平均は915 pg/mL (407-1763)。PPI服用歴は平均7.4年 (4-10)。平均70歳 (56-84)。高ガストリン血症の患者に、神経内分泌腫瘍や胃上皮性腫瘍の発生は認められなかった。組織学的に、全例で壁細胞の変性 (parietal cell protrusion)を認めたが、ECL細胞および内分泌細胞の形態変化(過形成・微小胞巣)は認められなかった。 胃体部胃底腺領域のCgA陽性細胞数は平均88.2 (51-131)であった。血清ガストリン濃度とCgA陽性細胞数との間に相関関係は認められなかった。ガストリン値を1000pg/mLで区切って両者を比較しても有意差は認められなかった。胃底腺領域のKi67陽性細胞数は3.6 (1-6)であった。Ki67陽性数とCgA陽性数および血清ガストリン値との間に相関関係は認められなかった。 以上の結果より、PPI長期投与患者における高ガストリンとECL細胞の増生や腫瘍化との間には関連がないことを明らかにすることができた。
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