2017 Fiscal Year Research-status Report
FD患者のCCR2/CD68細胞を介した消化管知覚神経由来MBP蛋白抑制の解析
Project/Area Number |
16K09294
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
二神 生爾 日本医科大学, 医学部, 教授 (50247011)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋嘉比 康治 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90182295)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | CCR2 / CB68 / 十二指腸 / urocortin / acotiamide |
Outline of Annual Research Achievements |
FD患者および早期慢性膵炎患者における十二指腸粘膜生検を行い、FD患者、早期慢性膵炎患者ともに、健常者より炎症細胞浸潤が有意に増加していることを見出した。また、早期胃排出能もFD患者および早期慢性膵炎患者において有意に障害されていることが認められた。十二指腸粘膜におけるGLP-1産生細胞は早期慢性膵炎患者においては有意に増加していることが判明した(Yamawaki H, et al Digestion, in press, 2018).また、LPS刺激ウロコルチン脳槽内投与ラットでは、空腸粘膜において有意にCD68, CCR2陽性細胞が有意に増加していることが判明している。また興味深いことに、acotiamideを投与すると、これらの空腸粘膜に認められたCD68, CCR2陽性細胞の浸潤が抑制されることが判明した。このため、われわれは、ラットマクロファージcell lineを用いて、MCP-1+LPS刺激を行ったところ、細胞培養上清中のTNF-α,IL-1β産生の増加を認めたが、acotiamide投与群においては、これらのcytokine産生は有意に抑制された。現在、このacotiamideによる炎症抑制作用がどのようなメカニズムによるものか、シグナル伝達を検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LPS刺激urocortin脳槽内投与ラットモデルをもちいて、空腸、回腸を中心とした小腸粘膜にCD68, CCR2陽性細胞の有意な増加が認められることを確認しており、これらが、胃粘膜ではみられず、小腸粘膜特異的な変化であることが確認されている。さらに、FD患者の治療薬であるacotiamideは、この空腸を中心とした小腸粘膜の炎症細胞浸潤を有意に抑制することも確認できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
FD患者における十二指腸粘膜における炎症細胞浸潤が重要な役割を果たしているとされているが、その詳細なメカニズムは不明である。今回は、LPS刺激urocortin脳槽内投与ラットにおいて、確かに空腸にCD68, CCR2陽性細胞が有意に増加していることが確認できている。今後は、①CD68, CCR2陽性細胞が十二指腸粘膜に浸潤するメカニズムを検討する。②acotiamideによってこれら炎症細胞浸潤(CD68, CCR2陽性細胞)が抑制されるメカニズムの詳細を検討する。③炎症細胞由来のサイトカインによる知覚神経への影響を検討する。
|
Causes of Carryover |
物品費においては、共用機器の使用や、すでに購入済みであった試薬などの使用により、支出が大幅に減少した。抗体試薬やELISA KITなどの使用が増加する予定なので、それらの購入に使用したい。
|
Research Products
(8 results)