2017 Fiscal Year Research-status Report
ヒトゲノム解析にピロリ菌ゲノム解析を併せることで超早期胃がん診断を実現する
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16K09295
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
渡邊 嘉行 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90329243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 博幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (40332910)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ピロリ菌 / 胃がん / 次世代シークエンス解析 / パイロシークエンス / 胃洗浄廃液 / 遺伝子異常 / 挿入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、以前に我々が報告してきた通常内視鏡検査時に廃棄される胃洗浄廃液から回収・解析したヒトDNA異常を胃がんの分子マーカーとするアイディアに加え、混在する定量的複数種ピロリ菌全ゲノム解析を実施することで「胃全体のヒトゲノム+ピロリゲノム情報による廃液を用いた超早期胃がん遺伝子診断」として胃がん診断への応用検討を行うものである。今年度は、我々が独自開発したG-Scan法(next-generation sequencing-based method of integrated whole helicobacter pylori genomes)を用いNGS解析(WET解析)を終了に成功した。更に我々はバイオインフォマティクス技術によるDRY解析により、ゲノムワイド関連解析(Genome Wide Association Study;GWAS)を実施、「胃がん特異的ゲノム配列異常」36候補遺伝子の同定に成功している。興味深いことに、候補遺伝子のなかには胃発がん因子として重要なcag pathogenicity island (cag PAI)に含まれるcag遺伝子を認める一方で、cagPAI以外に存在する複数塩基のinsertionの同定にも成功した。既に同部位insertionの存在は胃癌・非胃がん症例(検証セット)におけるパイロシークエンス解析より、胃がん症例に感染するピロリゲノムにおいて高頻度に認めることを確認済みである。今後は前向き他施設共同試験による大規模な検証試験を予定するとともに、insertionによるピロリ菌の構造変化、機能解析を行ってゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り胃洗浄廃液検体を用いたNGS解析(WET解析)に成功し、その後のバイオインフォマティクス技術によるDRY解析から36候補遺伝子「胃がん特異的ピロリ菌遺伝子異常」の同定に成功している。さらに、候補遺伝子異常のひとつ「DNAの塩基配列の挿入」部位は検証セットを用いたパイロシークエンス解析により、胃がん症例に高頻度で認めることを検証しており、予定スケジュール通りに研究進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は前向き他施設共同試験による大規模な検証試験を予定するとともに、insertionによるピロリ菌の構造変化、機能解析を他大学との共同研究の形で行ってゆく予定である。
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