2018 Fiscal Year Annual Research Report
Preventive effect of mesenchymal stem cells on luminal stricture after endoscopic submucosal dissection in the rectum
Project/Area Number |
16K09300
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
桂田 武彦 北海道大学, 大学病院, 助教 (90507592)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 内視鏡的粘膜下層剥離術 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が普及してきたが、直腸に対して広範囲にESDを行うと、合併症として狭窄が問題となることが最近明らかとなっってきた。一方、間葉系幹細胞は骨髄など多くの組織に存在し、新しい再生医療材料として注目されている。本研究では、直腸ESD後狭窄に対する新規治療法の開発を目指し、羊膜由来間葉系幹細胞の培養上清に着目し、大動物モデルに対する効果および作用メカニズムを明らかにすることで、臨床応用への基盤を整えることを目標とした。ブタ直腸に長径5 cmの全周性ESDを行い、培養上清ゲルを4日間連続注腸投与すると、3週間後の直腸狭窄が有意に抑制され、炎症細胞浸潤や線維芽細胞の活性化、筋層の肥厚、および線維の蓄積も抑制されていた。そこで、ESD後1週間培養上清ゲルを連日注腸投与し、急性期(1週間後)の評価を行ったところ、狭窄が有意に抑制され、病理学的にも好中球やマクロファージの浸潤が抑制され、線維芽細胞の活性化が抑制されていた。 以上のことから、間葉系幹細胞の培養上清ゲルの注腸投与は、直腸ESD後急性期の炎症反応を抑制することで線維芽細胞の活性化を抑制し、線維の蓄積や筋層の肥厚を抑制して狭窄予防に寄与していることが明らかとなった。本研究の成果により、直腸における全周性ESD後狭窄予防法としての間葉系幹細胞由来培養上清の効果が示され、消化器内視鏡医が将来的に直腸狭窄を恐れることなく広範囲なESDを実施することができるようになると予想された。
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Research Products
(1 results)