2017 Fiscal Year Research-status Report
マイクロサテライト不安定性SGO1変異による大腸がんの染色体不安定性誘導効果
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16K09305
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
岩泉 守哉 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60444361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
華表 友暁 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40416665)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大腸癌 / SGO1 / マイクロサテライト不安定性 / 染色体不安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
SGO1のフレームシフト変異が大腸癌においてどのような状況で生じるのか、どのように影響を及ぼすかを検討した。 既報では、MSI陽性大腸癌および胃癌においてSGO1フレームシフト変異が起きているとの報告であったが、我々の検討では、胃癌大腸癌ともにMSI陽性例でなくとも一定の割合でSGO1変異が認められていた。本研究期間中、MSIによって認められたMBD4変異が認められると大腸癌細胞株では5FUあるいはFTDへの感受性が高まることを見出した。現在解析対象症例の中で、複数の殺細胞性抗がん薬の感受性や予後について、MBD4変異の有無とSGO1変異の有無の組み合わせでどのように殺細胞性抗がん薬への感受性が変化するか検討中である。また、今回認められたMSI陰性・SGO1変異症例については病期ごとにSGO1変異の頻度が異なることが予想され、今後より詳細な臨床病理学的検討を進めていく。 また、既報以外のSGI1領域内のマイクロサテライト領域についても胃癌および大腸癌症例の腫瘍部および非腫瘍部を用いての変異検索を行ったが、既報のようなフレームシフトによる変異は認められなかった。しかしながら本検討はサンガー法でのみの検討であり、tumor heterogeneityの側面も考慮して、他の分子遺伝学的手法も試みた解析を予定している。 さらに細胞生物学的にこのSGO1変異が染色体不安定性にどのように関与しているのか、各種イメージングにより染色体動態を観察し、関連分子のinteractionについても検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
変異型SGO1発現プラスミドの作成に時間がかかっているため、細胞生物学的な検討への開始時期が遅れている。本研究の分担研究者とともに現在作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
変異型SGO1発現プラスミドを作成後、各種イメージングにより染色体動態の解析を行うことで、変異が染色体不安定性にどのように関与しているのか解析する。
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Causes of Carryover |
細胞生物学的解析目的としての現在SGO1発現プラスミドの作成に難渋していたため、本プラスミド作成に遅れている。今回生じた当該助成金額はすべて今回遅れているSGO1発現プラスミドの作成費である。現在本研究分担担当者とともにこのプラスミド作成が着実に進んでおり、平成30年度は当該助成金額の確実な使用が見込まれる。
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