2017 Fiscal Year Research-status Report
オートファジー選択的基質p62を標的とした新しい大腸癌治療法の開発
Project/Area Number |
16K09313
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡本 耕一 徳島大学, 病院, 講師 (60531374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 哲治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (10284994)
北村 晋志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (60564490)
六車 直樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 准教授 (90325283)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CRISPR Cas / p62 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、オートファジー(AtP)の阻害によるp62の蓄積がCaspase8を活性化し、抗癌剤によるApoを増強する機序をin vitro、vivoで明らかにし、新たなAtPとアポトーシス(Apo)のクロストークの分子生物学的機序を解明する。また、新規AtP阻害剤を使用し、AtP選択的基質p62を標的とした新しい大腸癌治療法を開発するための基盤を構築することに取り組んでいる。 初年度は①大腸癌細胞株における種々の抗癌剤とAtP阻害剤との併用によるCell viabilityの評価②レンチウイルスによるp62のノックダウンによるApoの評価③免疫沈降法、蛍光二重染色法のよるp62とCaspase8の共在化の検討を施行した。 平成29年度は、新しいゲノム編集技術であるCRISPR Casにて大腸癌細胞株のsingle p62 ノックアウト細胞株を樹立した。まず、使用する培養細胞は内因性p62の発現量の小さい大腸癌細胞株を選定し、ノックアウトする際レポーター蛋白として蛍光蛋白もしくはルシフェラーゼを発現するようにベクターを構築し、ノックアウト細胞のselection及びin vivo imagingの際に利用した。Cell selectionはcell sorter付のFACSを利用した。また、同時にWT(Wild type)大腸癌細胞株も樹立し、樹立細胞からTotalRNAを抽出し、Real time PCRによる遺伝子発現解析によって、そのノックアウト 効率の確認を行った。p62ノックアウト細胞株を樹立後、in vivoでの実験の前にin vitroでこれまで得られた結果と同様の結果が得られるかを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①新しいゲノム編集技術であるCRISPR Casにて大腸癌細胞株のsingle p62 ノックアウト細胞株の樹立②WT(Wild type)大腸癌細胞株を樹立し、ノックアウト効率の確認③p62ノックアウト細胞株を用いたin vitroでこれまで得られた結果と同様の結果が得られるかの確認は予定どおり施行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、樹立したp62ノックアウト大腸癌細胞株及びWT細胞を、それぞれマウスの大腸に移植する。移植する細胞数は1×107個で、移植直後から毎日in vivo imaging観察を行う。平成28年度に得られたin vitroの実験結果から、より相乗効果をもってApoを誘導し、p62とcaspase8の共在化が確認できた抗癌剤とAtP阻害剤の併用薬剤を選択し、マウス尾静脈より投与する。WT大腸癌細胞株で十分な縮小腫瘍効果が得られた後、マウスから癌細胞を摘出し、AtP、Apoに関わる因子(p62,LC3,C3,C8,C9)をTaqman PCR、WB、免疫染色法(IHC)等にて発現が増強、減弱されているかを確認し、p62のAtPとApoのクロストークに関わる役割を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
CRISPR Casにて大腸癌細胞株のsingle p62 ノックアウト細胞株の樹立が予定よりやや遅れたことにより、抗癌剤とAtP阻害剤との併用によるCell viabilityの評価、免疫沈降法、蛍光二重染色法のよるp62とCaspase8の共在化の検討の一部を次年度に移行する必要性が生じたため。
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