2017 Fiscal Year Research-status Report
siRNA screeningによる新規エピジェネティクス治療標的の探索
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16K09321
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岡本 泰幸 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (60444973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 香月 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (00405200)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
SiRNA whole genome screeningにて同定した17遺伝子の中にRNA制御に関連する2つの遺伝子をみとめた。これらの遺伝子は伴に複合体を形成してmRNAの合成に重要な役割をすることがよく知られている。一方でこの遺伝子の発現を抑制することで発現の抑制される遺伝子があるが、TIMP3やP16などの発現が上昇する癌抑制遺伝子をみとめることリアルタイムPCRで確認された。これらの遺伝子で形成される複合体の阻害剤を使用して遺伝子の発現を確認するとsiRNAによるノックダウンの結果を再現するように、がん抑制遺伝子の発現上昇をリアルタイムPCRで確認することができた。TCGAのデーターベースにて対象遺伝子の癌での変異を確認すると多くのがんで変異を認めることも分かった。同複合体を形成する他たんぱく質をコードする遺伝子に関しては再度SiRNAでノックダウンして遺伝子の発現を確認したところ、それらでは癌抑制遺伝子の発現上昇は認めなかった。今回注目した遺伝子ならびに複合体はがん治療のターゲットとして期待されるためさらなる検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スクリーニングにて同定した遺伝子からのターゲットの絞り込み順調で同定された遺伝子には多くの予測された遺伝子を認める一方で、機能に関して報告のない遺伝子も含まれた。したがって、エピジェネティクス制御に関して新しい機構が見いだされる可能性がある。それらのターゲットの中の一つでは阻害剤として報告のある化合物を用いても同様の遺伝子制御が見られた。このことは、スクリーニングの確からしさを反映していると同時に、これからの実験計画がスムーズになると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAseq解析、CHIP-seq解析を施行することで各遺伝子が制御する遺伝子群を明らかにして。新たなエピジェネティクス制御機構を模索すると同時に新規治療薬の可能性にせまる。その中で期待される標的に関しては動物実験も検討する。
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Causes of Carryover |
パソコンを使用した解析が主であったことや、予定より試薬が安価で購入できたため次年度使用額が生じた。次年度では次世代シークエンサーで使用するライブラリーの作成試薬等を購入する。
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[Book] 肝胆膵2018
Author(s)
岡本泰幸
Total Pages
6
Publisher
アークメディア
ISBN
18825087