2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K09324
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小林 拓 北里大学, 北里研究所病院, 副センター長 (10424144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 悟 北里大学, 北里研究所病院, 部長(医師) (10286487)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高脂肪食 / 低炭水化物 / 炎症性腸疾患 / 粘膜免疫 / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】近年、日本人におけるエネルギー産生栄養素の摂取比率は食の欧米化に伴い大きく変化している。特に脂肪エネルギー比の増加と、炭水化物エネルギー比の減少は顕著である。しかし、脂肪エネルギー比の増加による腸内細菌の変化についての報告が多くなされているが、相反する結果が報告されているなどいまだ明確ではない。そこで我々は、マウスを用いて高脂肪低炭水化物食が腸管及び腸内細菌叢に与える影響を検討した。方法として7-8週齢のC57BL/6マウスに標準食(Normal Fat Diet ; NFD, たんぱく質:脂質:炭水化物=29 % :13 % :58 % )または高脂肪低炭水化物食(High Fat Low Carbohydrate Diet ; HFLCD,たんぱく質:脂質:炭水化物=20 % :60 % :20 % )を6週間与えた後屠殺し、血液、腸管及び糞便を採取した。腸管は器官培養と腸管粘膜固有層単核細胞の単離し、以下のような解析に用いた。1)肉眼および組織所見 2)大腸組織片から分泌されるサイトカイン及び血清中のサイトカインをCytometric Beads Arrayにより測定した。3)糞便中の腸内細菌叢の構成変化はT-RFLP法により解析を行った。4)単離した腸管粘膜固有層単核細胞はFACSを用いて細胞構成を評価した。結果、1)NFD群に比べHFLCD群の腸管は短く比重量は減少していた。顕微鏡所見では大きな差は見られなかった。2)大腸組織片から分泌されるIL-6及びIL-12p40ともにNFD群に比べHFLCD群で有意に高値であった。3)腸内細菌叢はLactobacillales がNFD群に比べHFLCD群で有意に増加していた。しかし、Bacteroidesでは有意に減少していた。4)FACSについては現在解析中である。HFLCD給餌マウスの腸管は炎症性サイトカインの上昇が見られた。また、HFLCD給餌マウスの腸内細菌叢ではLactobacillalesの増加とBacteroidesの減少が見られた。現在これらの現象が腸管の細胞構成へ影響を与えているかを検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス実験は当初の予定通りに進捗している。 人に関しても検体の収集は終了し、次世代シーケンサーを用いた解析も進み、現在臨床情報と合わせた解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスに関しては、腸内細菌の関与について無菌マウスを用いて進めていく。 ヒト検体を用いた研究においては、糖質制限食による腸内細菌叢の変化と血糖値など臨床情報をの相関を解析し、実際の血糖改善に関与する細菌叢の変化を同定する。
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Causes of Carryover |
主としてマウス糞便検体の解析に使用する費用(その他)が未使用となったためであるが、現在検体を収集し解析待ちとなっている。
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Research Products
(4 results)