2017 Fiscal Year Research-status Report
Sema3Gの機能解析を通じた非アルコール性脂肪性肝炎の機序解明
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16K09341
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳山 宏丈 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (90385039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 稔 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (60447307)
前澤 善朗 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (80436443)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / NASH / セマフォリン |
Outline of Annual Research Achievements |
Semaphorin ファミリーは血管新生、癌の発症、免疫調節など多彩な機能を有する。我々は分泌型Semaphorinの一つであるsemaphorin3Gに着目した。まず、超高脂肪コリン欠乏メチオニン減量食を用いて、NASHならびに肝線維化のモデルを作成したところ、KOマウスでは野生型と比較して、体重が減少する傾向が見られた。AST, gGTPもKOで減少していたが、組織学的には脂肪滴の蓄積に差は見られなかった。一方で、マッソン、トリクローム染色とシリウスレッド染色においても、線維化が減少する傾向が見られた。Tnfa, 1型コラーゲンの発現減少、肝内マクロファージの浸潤も減少していた。一方で、超高脂肪コリン欠乏メチオニン減量食は短期間に線維化所見を得ることができるメリットがあるが、非生理的なモデルであることから、8週間の高脂肪食負荷による検討を追加で行なった。すると、野生型では72%の体重増加がみられたのに対し、Sema3G KOでは53%の増加にとどまった。GTT, ITTによる耐糖能の評価でも、Sema3G KOマウスは野生型と比較して、血糖が低くインスリン感受性が良好であった。組織学的にも、KOマウスの肝臓はより脂肪滴の蓄積が少ない傾向が見られた。AST,ALT, gGTP, I型やIII型コラーゲンの発現も定量的PCRにて減少傾向にあり、組織の線維化も抑制される傾向が示唆された。以上より、Sema3Gを抑制することは、Nashならびに肝の線維化において有用である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NASHの二つのモデルを用いて、Semaphoriin3Gが脂肪肝、肝線維化を増悪する方向で働いていることを示すことが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに、Sema3Gが脂肪肝において組織の炎症、脂肪の蓄積を亢進させる機序を検討していく。まず、肝臓においてどの細胞がSema3Gを発現、分泌するのかをIn Situ Hybridizationで検討する。また、培養肝細胞、線維芽細胞を用いてこれらにリコンビナントSema3Gの存在、非存在下に炎症刺激や脂肪の添加を行い、炎症性サイトカインの発現や、脂肪の取り込みが異なるか否かを検討する。加えて、Sema3Gの多彩な機能を解明するため、KOマウス脂肪肝をRNA-Seqにても解析する。
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