2018 Fiscal Year Annual Research Report
Involvement of NETs and EETs in autoimmune liver disease
Project/Area Number |
16K09364
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
大平 弘正 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90274951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 和道 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30468128)
渡辺 浩志 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40336467)
高橋 敦史 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (40404868)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自己免疫性肝炎 / NETs / CpGDNA / ラクトフェリン / ANCA |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の検討内容として、生検肝組織にてNETsの存在を確認している35例のAIH患者血清中の各種サイトカインを測定した。NETs陽性、陰性で比較すると、IL-10、IFNγ、TNFαにおいては両群間に明らかな有意差は認めなかった。また、血液中のNETsの確認法であるcfDNAを測定した45例のAIH患者血清とこれらサイトカインの関連をみてみると、IL-10(r=0.211、p=0.1641)、IFNγ(r=-0.02025、p=0.895)、TNFα(r=0.2243、p=0.1386)と有意差な相関は認めなかった。 次に、健常人末梢血(10 ml)から好中球を分離・培養し、ANCA抗体(ラクトフェリン)陽性患者血清から抽出したIgG分画を各wellに添加しNETs誘導を実施した。AIH患者血清から分離したIgG分画を3時間添加し,蛍光顕微鏡下に観察しNETs形成されることを確認した。一方、コントロールのANCA陰性血清ではNETs形成が認めらなかったことから、AIH患者血清に存在するANCAがNETs形成に関与することが示唆された。 CpGDNAを用いた実験動物の検討では、対応抗原としてラクトフェリンを用いて、8週齢のB57BK/6NCrjマウスにCpGDNAをアジュバンドとして、ラクトフェリン蛋白と共に3回尾根部へ皮下投与し、28日目で採血と肝臓を摘出した。血清ALT値はコントロール、CpG単独投与、ラクトフェリン単独投与、CpG+ラクトフェリン投与で、他の群に比し有意に高値であった。HE染色においてもCpG+ラクトフェリン投与では肝内炎症が確認された。これまでの成果からAIH患者の肝臓においてNETsの存在が初めて明らかとなり、AIH患者血清中に存在するANCAがNETsを誘導することが示唆された。今後、AIHの病態との関連をさらに検討する価値がある。
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