2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of HCC carcinogenic mechanism from the viewpoint of liver fibrosis and development of new treatment methods
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16K09365
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
野尻 俊輔 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (50381843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 裕 至学館大学, 健康科学部, 教授 (90285198)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ATBF1 / 肝線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝硬変はコラーゲン産生の過剰が原因の一つでありシグナル伝達解明は戦略上重要である。様々なストレスにより星細胞の活性化が起こりCollagenが産生されることは知られているがそのメカニズムには不明なところが多い。本研究はATBF1による新たな肝臓の線維化制御メカニズムを明らかにする。 内皮細胞ではATBF1による各遺伝子群の有意な変化は見られず、平滑筋細胞では発現自体がないものも多かった。ヒト星細胞ではATBF1や 肝臓線維化に係るcollagen I, HNF1, AFP, 等の遺伝子及び蛋白レベルでの発現を確認した。さらにATBF1の強制発現とsiRNAを使用したノックダウンによる各遺伝子の変化を観察した。ATBF1発現によるcollagen Iの有意な発現亢進を認めた。X線照射、低酸素状態によるストレスによってもATBF1、Collagen Iの発現増加が起こるがATBF1発現抑制状態ではこれらの反応が30%減弱した。以上よりストレスによる星細胞のCollagen発現の上流にATBF1が関係していることが示唆された。一方で肝細胞癌細胞ではATBF1ががん細胞増殖抑制に働くがCollagen Iの変化はなく細胞種によりそのシグナル伝達の違いが明らかになった。ATBF1は肝臓細胞の種類によって線維化の促進に働いたり一方では癌抑制効果担う2面性をもつことが示唆された。現在ATBF1ノックアウトマウス作成中でありヘテロからホモマウスができつつある。完成次第in vivoでの実験を予定し線維化と発癌の関係を検討する予定である。 当研究により肝硬変の新たな線維化メカニズムが解明された。ATBF1が様々なストレスによる肝臓線維化促進に関して非常に重要な役割を担っている可能性が示唆され今後ATBF1が肝臓の線維化治療に重要な役割をにななう可能性があることが考えられる。
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