2018 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive understanding for the relationship between HLA class II genes and chronic hepatitis B infection
Project/Area Number |
16K09387
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
西田 奈央 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 上級研究員 (50456109)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | B型肝炎 / HLA / GWAS / HBワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度にB型肝炎ワクチン(HBワクチン)の応答性にHLA class II遺伝子が関わることを明らかとした。H30年度はHBワクチン反応群(HBs抗体価が10 mIU/ml超)と低反応群(HBs抗体価が10 mIU/ml以下)の2群を比較するGWASを実施した。その結果、BTNL2遺伝子上のSNP(rs4248166)が最も低いP値を示した。さらにHBワクチン高反応群(HBs抗体価が100 mIU/ml超)を低反応群と比較すると、rs4248166のオッズ比が強まる傾向が見られた。この結果から、ワクチン中反応群は、ワクチン低反応群や高反応群に入るべき人が一部混在した集団であることが示唆された。そこでワクチン低反応群をワクチン反応群およびワクチン高反応群と比較するGWASを実施し、得られたORがより強まる(もしくは弱まる)SNPを選択することで新たなホスト因子の同定を試みた。 ワクチン低反応群をワクチン応答群およびワクチン高反応群と比較するGWASの結果、P値が0.05以下となったSNP数はそれぞれ23,012 SNPs、23,769 SNPsとなった。これらの中でORがより強まった(もしくは弱まった)SNPを絞り込むと計11,704 SNPsが選択され、6番染色体を除いてもっとも低いP値を示したのはrs2732977(P=5.95×10-6、OR=0.49)であった。続いて、選択された11,704 SNPsの中でP <0.0001となった301 SNPsを対象として、IPAソフトウェアを用いてパスウェイ解析および上流因子解析を実施した。パスウェイ解析、上流因子解析により、HBワクチン応答性にはHLA分子によるHBV由来ペプチド抗原の認識やT細胞上のBTNL2分子などの副刺激分子を介した抗原提示細胞からの共刺激シグナルの伝達が重要な役割を果たしていることが示された。
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Remarks |
肝炎患者の臨床情報やゲノム解析結果を登録、管理するためのデータストレージ(肝炎DS)を構築した。共同研究者は肝炎DSにアクセス制限下(IDとパスワードでログインが可能)で接続し、自施設症例の臨床情報やゲノム解析結果を閲覧することが可能となっている。
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