2017 Fiscal Year Research-status Report
膵発癌におけるクロマチンリモデリング因子Arid1Aの機能的役割
Project/Area Number |
16K09394
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福田 晃久 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (70644897)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膵がん / マウスモデル / クロマチンリモデリング / IPMN |
Outline of Annual Research Achievements |
膵臓癌はPanIN・IPMN・MCNの3つの異なる前癌病変から発生すると考えられているが、その発生の分子機構は未だ明らかでない。エピ ジェネティックスによる遺伝子発現制御が癌化に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。その中でクロマチンリモデ リングに重要な働きをするSWI/SNF複合体は、近年ヒトの様々な癌種において、その構成成分のinactivating mutationsが多数報告さ れていることから、癌化に関わっていることが強く示唆される。。ヒトの様々な癌において ARID1A の変異が多いことは知ら れてい るが、癌発生にどのような役割を果たしているのか in vivo における Arid1A の機能的役割については国内外を通じて現在報告がな く、不明である。 申請者らは、膵臓特異的にKrasG12Dを活性化したマウスにArid1Aノックアウト(KO)を加えたマウス(Ptf1a-Cre; KrasG12D; Arid1A fl ox/floxマウス)を作成し、解析した。その結果、極めて興味深いことに100%の浸透率でヒトIPMN様の病変が生じた。さらに、 Ptf1a Cre/+; Kras LSL-G12D; Arid1A f/fマウスにおける膵嚢胞性病変とヒトIPMNとの類似性の検討した結果、ムチンの発現パターンからは 、pancreatobiliary typeのIPMNに津維持していると考えられた。 さらに、長期間IPMN様病変から進行して、膵癌(IPMN由来膵がん)が発生した。 以上の結果より、活性化Krasの状況下でArid1Aが膵臓で癌抑制遺伝子としてはたらき、IPMN・IPMN由来膵癌の発生を抑制していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定よりは早く論文発表まですすすめることができたため
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト膵がん治療に向け、本研究で得られた基盤データを基に、さらに研究を発展させていく予定である。
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Causes of Carryover |
本研究を次年度にさらに発展させていくのにあたって、マウスの飼育や物品・試薬の購入に次年度に経費が必要となったため。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] ARID1A Maintains Differentiation of Pancreatic Ductal Cells and inhibits Development of Pancreatic Ductal Adenocarcinoma in Mice2018
Author(s)
Yoshito Kimura, Akihisa Fukuda, Satoshi Ogawa, Takahisa Maruno, Yutaka Takada, Motoyuki Tsuda, Yukiko Hiramatsu, Osamu Araki, Munemasa Nagao, Takaaki Yoshikawa, Kozo Ikuta, Takuto Yoshioka, Zong Wang, Haruhiko Akiyama, Christopher V. Wright, Kyoichi Takaori, Shinji Uemoto, Tsutomu Chiba, Hiroshi Seno
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Journal Title
Gastroenterology
Volume: 3
Pages: 30346-9
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research