2017 Fiscal Year Research-status Report
変性脂質による腫瘍性コランギオパチー発症とその制御に関する検討
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16K09396
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田妻 進 広島大学, 病院(医), 教授 (80201614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 啓司 広島大学, 病院(医), 准教授 (30448237)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 変性脂質 / アポトーシス / コランギオパチー |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト胆管癌細胞Hucct-1、正常ヒト胆管上皮細胞MMNK-1にLPC 1~100μM, 9-HODE(G2Aリガンド) 0.1~10μM, LPC+9HODEを添加して、以下の結果を得た。 1)変性脂質取り込み機構:G2A最大発現time pointにおけるLPC+9HODEの併用添加によりsynergisticに増強した。2)細胞障害の評価:MTT assay(細胞数カウント)、LDH assay(生存細胞機能確認)により細胞死を濃度依存性、時間依存性に誘導した。3)アポトーシス評価:DAPI染色による形態評価、Annexin-V/PI二重染色フローサイトメトリーにより濃度依存性、時間依存性にアポトーシスが誘導された。4)Caspase活性評価:Caspase-3, -8, -9 (Assay kit)の結果は上記3)に矛盾しないものであった。5)アポトーシス関連遺伝子発現:GenbankおよびEnsemblから塩基配列を参照し、primer3にてプライマー作成し、FasL, TNF, Fas, TNFR, Bcl-2, Bax遺伝子発現の変化を検討した結果、濃度依存性、時間依存性の増強が確認された。6)ペリオスチン発現:遺伝子発現およびタンパクレベルの両評価において濃度依存性、時間依存性の増強が示された。 以上、LPCと酸化脂肪酸(変性脂質)によるコランギオパチーが惹起されることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに基礎実験は進んでいるが、LPC/酸化脂肪酸によるSASP因子の発現と発がんへの影響の検討を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの知見に加えて平成30年度以降は、1.食生活習慣制御、2.脂質吸収阻害薬(NPC1L1阻害薬)による治療アプローチの可能性、3.SASP因子の評価と発がん関連因子(DNAマイクロアレイ)4.インテグリン中和抗体による治療戦略の立案を進めて研究を総括する。
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Causes of Carryover |
当該年度の実験計画を一部次年度に組み入れたため。
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