2017 Fiscal Year Research-status Report
心室細動の発症・再発に関わる解剖学的因子を標的とした新たな心室細動治療戦略の開発
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16K09423
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
飯嶋 賢一 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (20625587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南野 徹 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90328063)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 心臓突然死 / 心室細動 / 電気的除細動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は一昨年度に共同研究者(アラバマ大学バーミングハム校、Dr. Jack Rogers、米国アラバマ州)と共に実施した実験で得られた知見(心室細動が再発する際は、除細動後に出現する興奮波の分裂の多くが、右室と左室の接合部(特に前面)で発生する)を国際学会(アメリカ心臓協会総会、2017年11月、米国カリフォルニア州)にて報告、発表した。同学会における他の研究者とのディスカッションを通して、本成果は我々独自の実験系によってのみ示しうるものであり、これまでの知見とは異なる臨床応用に向けた発展性を有するものと思われた。また、別の共同研究施設(オーバーン大学、米国アラバマ州)での心臓MRIを用いた解析がほぼ終了し、上記の心室細動の興奮波の分裂と、心筋線維走行の複雑さの関連を示す結果を得た。 本研究の最終目的は心室細動の発症、再発を阻止するための新たな臨床的治療法を開発することであり、最終的には人(患者)での臨床応用を目指している。研究計画の次の段階として、上記動物実験で得られた知見を臨床治療に応用するための大動物(ブタ)を用いた実験に進む計画としている。昨年度はそれらの実験の開始に向けた準備を進めており、所属施設(新潟大学)および実験を施行する予定の施設の倫理審査を受け、承認を得た。現時点で上記の段階に進むための準備は完了しており、今後集中的に実験を進め、さらなる知見の集積を行い、本研究期間内での臨床応用を目指して研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに当初予定した実験計画、すなわち、ランゲンドルフ潅流豚摘出心における光学マッピングおよび高磁場核磁気共鳴画像法を用いた動物実験を共同研究者と共に施行し、基礎的な知見を得ることができており、また、これをもとに臨床応用のための実験へと進む準備を進めており、概ね当初の計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画に従い、これまでの研究で判明した心室細動の発症や除細動不成功に大きく関与すると考えられる両心室の接合部に対するカテーテルアブレーションなどの治療介入の効果と安全性を明らかにするための研究(大動物を用いた臨床応用を見据えた動物実験)を進める。 また、これまでの研究の成果の公表(学会発表、論文発表)に関する活動もあわせて進めて行く。
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Causes of Carryover |
物品費が当初の予定よりも下回ったためであるが、次年度には新たな実験へと進む予定であり、そのための物品調達が必要となると考えられ、次年度使用額はそれに充てる計画とする。
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